No.23

ふぁぼの早い5人に140字SS投げつける見た人も強制でやる
書下ろし三作、風にゆれる かなしの花のキャラクターで頂いたリクエスト二作

タイトル通りのタグで投げつけたSS

朔さんへ
 無防備に眠る顔は、普段の毅然とした表情よりも幾分あどけなさが勝る。いつからだろう。かつては無邪気だった笑みが、腕のいい彫刻家が作り上げた女神像のような微笑みに変わったのは。その表情を崩してしまいたい、でも変えたくない気持ちもある。矛盾を抱えながら、白い頬のまろみを指先でなぞった。

 朔さんへ投げつけた奴。ヘタレ男子友の会の会長様なので、やはりヘタレ男子を書きました(笑
 設定としては、幼なじみ主従。護衛とか側近的立場なヘタレ男子と、長じてからは人の上に立つ存在になった表向きは完璧女子。多分、幼なじみであるヘタレ男子の前でのみ気を緩められるんだろう。


ハルさんへ
 「いいものあげる」そう言って彼が放り投げたのは、赤地に手毬柄の布が巻かれた二十センチほどの長さの筒。いわゆる万華鏡という奴だ。「何で?」と返すと、「今夜は曇りだから」とドヤ顔だ。「これを望遠鏡にすれば、天気関係なく星が見えるだろう?」あまりの馬鹿馬鹿しい発想に涙が出るほど笑った。

 ハルさんに投げつけた奴。
 天気悪くても万華鏡なら星見られるって子供みたいな発想が嫌いではないですええ。この二人は、友達以上恋人未満みたいな関係だったらいいなーって思いましたまる。


悠さんへ
 雨が上がれば、虹を見に行こう。おろしたてのスニーカーを履いて、あの丘の上まで。街を見下ろす高台で、天に掛かった七色の橋を見上げて。きっと、虹の袂が見つかるはず。見つかったならこっちのもので、あとはその場に駆けるだけ。そこになくしたものが、待っているのだろう。

 悠さんに投げつけた奴。癒し系(?)を狙ってみました。
 最初最後の一文の「待っているのだろう」は「待っているはずだから」でした。何となく「はず」って断定するよりも「だろう」みたいな期待した感じの方がいいかなと。
 虹の袂には亡くした人がいるってお話もあるよね。みたいなね。見つけられる、そこに辿り着けるってことは、もしやこの主人公は……って勝手に深読みしてもらえても楽しいかなと思った(私の脳みそが不穏な方に行きたがるだけ)


りつかさんへ
 言動は軽い、やる気はない、信用できない。三拍子揃った上、女遊びは騎士団で随一。そんな男がどうして真面目で模範的な彼女の幼なじみなのかとずっと気に入らなかった。けれど最近、そこまで悪い奴ではないと思い始め――「お? セラの薄っぺらい胸でも見てんのか?」前言撤回。やはり気に入らない。

 りつかさんに投げつけた奴。風花のアルとレオンのお話でとリクエストを頂いたので。
 この二人好きなので書くの楽しいんですけど、いつも文字数に悩まされる。
 アルとレオンはきっと、何年経っても似たような感じの関係です。レオンがアルを見直しては前言撤回を繰り返す、みたいな。
 でも気づけば信頼できる友人の一人にはなってそうで、結局アルのお兄ちゃん属性の勝ちな気がする。


なのかさんへ
 フラワーシャワーを投げつけながら、友人である新婦の幸せそうな微笑みに自然と口元が綻ぶ。そういえば、あの二人も無事に式を挙げられたのだろうか。揃って不器用で、ついお節介を焼いてしまいたくなる大好きな二人。末永く幸せに。届くはずない祈りを、もう失われたはずの力にのせて。共に幸せに。

 なのかさんに投げつけた奴。リクエストは風花のカノンでした。
 これはカノンが元の世界に戻った後、友人の結婚式の最中にレオセラ思い出している感じです。
 二人の結婚式、見たかったんだろうな~。もし見てたらきっと号泣してたんだろうな~とか思いながら書いてました。



 と、こんな感じで書いたこれらのSSは初めての140字SSでした。
 短いの難しいね!畳む

#番外編 #140SS

風にゆれる かなしの花その他