No.4

オンノベ感想『女王の化粧師』(第二弾)

  こちらは以前の感想ブログに載せていた記事の転載です。

 うっかりご飯食べ忘れてました。
 食べてきました(笑
 そして、まだ言い足りないので叫びに戻ってきました。
 んで、ちょっと考えたんですけど、順を追って書いてったら膨大な量になると思ったので、思いつくまま好きだったシーン上げていきます。
 とにかく、ここ主張しとかないと!って思ったとこをからね!
 続きは相も変わらず語彙力何それ美味しいの?状態ですがどうぞ。

 感想をブログで吐き出そうと思った時から、これだけは! これだけは書いておきたい!! と思ったことがありまして。

 第二幕 第九章 忍ぶ懸想者の7。つまり、九章の最後のページのお話なんですけどね。
 いやあもう、このお話のサブタイトルからしてもうあれだったんですけど、この前の二人の逢引きシーンとかもダンスシーンとかももちろんあれだったんですけど!!!
 ここでね、ディータさんが初めて自分の主に対してディアナさんのことを告白するじゃないですか。
 それなんですけどね、ここですよ。
『ヒース』
 彼女が呼ぶ。
 あの日々と同じように。
 月色の瞳を柔らかく細めて。
 屠った男の名を。
 それがわたしを狂わせる。
「申し訳ございません」
 主君に、ディトラウトは告白した。
「心を傾けました」
 他者の印象を塗り替えんと筆を手にとるときこそ。
 もっとも美しいあの娘に。
 深く。
 溺れるように――……。

「心を傾けました」
 この一言が、すっごくディータさんを物語ってるなって、そう思ったんです。
 傾けました。いい……。
 きっと、ヒースとして ミズウィーリ家にいる時にディアナさんへの気持ちを自覚した後、彼の中で必死にバランスとろうとしてたと思うんですよ。
 自分はいずれこの場所を去る者。本来の主は別の国の女王で、自分はそこの宰相且つその兄。
 その気持ちは ペルフィリアに戻った後もそうで、ディアナさんと添い遂げることなどない。ありえない。
 そう言い聞かせてたんだろうなって。
 同時に、ディアナに自分を選んでほしいと思いながらも、マリアージュ様を裏切ることはないだろうって思いも無意識にあったんじゃないかなと思ったり。一幕でペルフィリア側に捕らわれたディアナさんに取引を持ちかけて自分の元に来いと言った時だって、ディアナさんは頷かないってわかってたんじゃないかなと思うのです。
 だって、ヒースさんは真っ直ぐなディアナさんだから好きになったんですよ。恋に溺れてマリアージュ様を捨てて自分の手を取るような人だったら、端から好きになってないと思うんですよ。なのにそんなディアナさんがそれでも自分を選んでくれたらって思ってしまう部分もあったんじゃないでしょうか。
 すんげぇ矛盾。そして葛藤。
 そういう危ういながらも何とか保ってた均衡があったのに、綺麗で無防備なディアナさんが、以前よりもずっと美しさを増して男を惑わす色香を自然に振りまいてしまうディアナさんが崩してしまった。
 しかも、拒絶されたならまだよかったのに、受け入れられて逆に求められてしまった。
 そしてそのあとの決定打。
 ダンスをしながら、初めてディアナさんから直接ちゃんとした言葉で「好き」と「あなたのことを、忘れられない」と言われてしまう。
 好きで好きで仕方がなくて、どうしても手に入れたくなくて、でも決して自分の元に落ちてくれない。そんなディアナさんから、初めてちゃんと返ってきた想い。
 覚悟しないわけないじゃないですか。もう何もかも。それまで保ってたバランスなんて、どうでもよくなっちゃうじゃないですか。
 ディアナさんが女だとバレてしまったことに、ほっとしたところもあるんだろうなぁ。やっと偽らなくていいって。
 ディータさんが『ヒース』としてミズウィーリ家にいる間の時間って、本当に優しいじゃないですか。
 思うに『ヒース』は彼のもっとも本質の部分に近くて、それと同時に『 ディトラウト 』の理想とか夢とか望みとか、そんなものなんだろうなって思います。きっと、ディータさんは『ディトラウト』よりも『ヒース』でいたいんだろうな。
 そして、ディアナさんも『ディトラウト』である彼とも二人きりの時に『ヒース』って呼ぶじゃないですか。ディアナさんも彼が『ヒース』であってほしいし、『ヒース』でありたいと心のどこかで望んでいる部分を無意識にかんじとってるんじゃないかなー。
 だから、ディアナさんはいつまで経っても『ヒース』と呼ぶし、ディータさんも『ヒース』と呼ぶことを咎めないしやめさせたりもしない。

 ああもう! はよ結婚してくれ!!!
 今すぐ! マリアージュ様の前で夫婦になることを誓え!!!
 そしてディータさんはマリアージュ様にアヒル口の刑にされてしまえばいい!!!

 あ、マリアージュ様といえば、最初に ペルフィリアに訪問したときのあれが大好きです♪
 マリアージュは開いた扇で口元を隠し、ふ、と嗤った。
「狸に似ておりましたの」
 一身に視線を浴びながら、皮肉を込めて言い放つ。
「……私の生家の庭を荒らした、たいそう毛艶の良い……クッソ狸に」
 イェルニ兄妹が目を丸め、ロディマスは女王の乱心に顔を引き攣らせている。
 それが、おかしくてならなかった。
「冗談ですわ」
 マリアージュは扇を閉じ、嫣然と微笑んだ。

 マリアージュ様~!!!! 納税させて~!!!!
 クッソ狸にくっそ笑いましたwww
 これ、ディータさんどういう気分で聴いてたんでしょうねwww

 あ、あとあと! マリアージュ様といえばやはり序幕のあれですよ!!!
 衣装の裾を絡げてゆっくり歩く。
 行く手を阻むメリアの眼前で一度足を止め、マリアージュは言った。
「お退きなさい。メリア・カースン。歩みの邪魔です」
 気圧されたのか、彼女は大人しく道を開ける。
 マリアージュはそのままゆったりと、絨毯を踏みしめた。
 文官が露台へと続く扉を開く。
 熱を帯びた歓声が、ぬるい風と共にマリアージュを一気に取り巻いた。

 もう、この時点で女王様。
 ヤバイ、かっこいい。納税したい。
 この後の演説も、
「私には力がない。だから助けなさい。貴方達が守り受け継いできた家と叡智が、私を助けることを信じます」
 それは、女王候補者としての、演説ではない。
 それは、女王が家臣に向けた宣下、そのものだった。
「私は祈らない」
 マリアージュは宣誓する。
「誰に祈るわけではない。貴方達にこれまでと変わらぬ日々を。更なる研鑽と、繁栄を、私が約束いたしましょう」

 もう、かっこよすぎる。こんなに女王に相応しい人いないですよもう!
 何回でもこのシーン見たくなる。好き。ほんとマリアージュ様ってばマリアージュ様!!!

 って、そうこうしている間にお迎え行く時間になりましたね。
 ええ、ええ、何かもう、前半のヒースさんで色々語りすぎましたね。
 でもまだ語り足りないんですよ! まだあるんですよ!
 とりあえずお迎え行ってくるので、一旦終わります!畳む


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