感想10件]

オンノベ感想『恋を知らぬまま死んでゆく』

 ※こちらは以前の感想ブログに載せていた記事の転載です。

 眠れなくてずっと気になってたので読み始めたら、最終話の一個前まで一気読みしてしまいました(ちなみに、翌朝最終話投稿されてたので即読みしました)
 ネタバレも大いに含みますので相変わらずの追記にて、です。

 ということでリンクはこちら⇒『恋を知らぬまま死んでゆく』 捺さん https://kakuyomu.jp/works/11773540548872...

『恋を知らぬまま死んでゆく』

 【あらすじ】
「失恋した。この気持ちは聖良ちゃんにはわからないよね」
  高校三年生の秋、私の留守電に謎めいたメッセージを残して菜々子は海で死んだ。
  事故だった。
  ――でも、もし本当は自殺したとしたら?
  仲違いしていた幼なじみの死の真相を知るために、私は恋をしようとする。
  同級生の青井を巻き込んだ、つたない恋人ごっこを通して。
 「好き」という想いをめぐる、青春ライトミステリー。
 (カクヨムさんのあらすじより)


 亡くなった幼なじみの死の真相を知るためときいて、最初は「お! ミステリー要素があるのか!」とごくごく普通にテンションあげてました(ミステリー好き)
 けれど、蓋を開けてみれば、確かにミステリー要素も存在するけれども、それよりももっとずっと、『恋』を知ろうとする聖良ちゃんの一挙一動に惹きつけられた。
 う~ん、言葉にするのは本当に難しいんだけど。
 世の中には『好き』が沢山あって、それは友情だったり家族的なものであったりたくさんある。はたまた何でかよくわからないけれど憎めないみたいなのであったり、友情なのか恋愛なのか憧れなのかわからないような名づけられない感情もたくさんあって。
 私はそれにわざわざ名前なんて付けなくていいと思っている。
 だから、最終話の一個前のお話で、 「たとえ恋じゃなくても、好きって感情はどうにもならないよ」 って聖良ちゃんが言った時、とてもホッとしたし、それでいいと思うよと思った。
 聖良ちゃんの青井くんに対しての想いは『恋』じゃない。
 それは聖良ちゃん自身が一番良くわかっている。
 けれど、その想いの強さはけっして『恋』に引けを取らなくて、もしかすると『恋』よりもずっと強い感情なんじゃないだろうか。
 『恋』じゃなくたっていい。一緒にいたいという気持ちに嘘はないし。
 そもそも『恋』ってなんだろうね。
 ドキドキしたりすること前提ならば、とても私事ではあるけれど私は恋をしないまま今の旦那様と結婚したことになる(笑

 いや、私の話はどうでもいいとして。
 聖良ちゃんの想いは『恋』ではなくて、青井くんの想いは純粋過ぎるほど強くてひたむきな『恋』で、きっとこの先も二人の想いが重なることはないんだと思う。二人の間には、恋愛感情と非恋愛感情という大きな溝があって、それは絶対に埋められない。それでお互いに傷つくことはあるだろう。現に二人とも重ならない想いで苦しみ続けていた。
 けれど、それでも、歩み寄ろうとすることも寄り添い合うこともできる。
 重ならなくても、隣に並ぶことはできるのだと、そうであってほしいと思ってしまう。
 だから、聖良ちゃんと青井くんの関係が、この先優しいものに変わっていってくれればいいなあと思うし、そうなってくれるんじゃないかという期待を持ってしまっている。

 あ~……何か本当にまだ色々思うところはあるんだけど、上手く文章まとまらない。
 いや、まとまってから書けよと思うんだけども、日を置くと生まれた感情が鮮度を失っていって結局感想書かずに終わるのが私なので!
 ちなみに、カクヨムさんの方でレビュー書くためにここで感想書いて少しは纏めようと思ったんですが、このざまですよ!!!!
 とりあえず、すごくすごく息苦しさともどかしさと、そして想い合う温かさを感じたお話でした!畳む


#オンノベ感想

感想

オンノベ感想『時々山椒時々胡椒』

 こちらは以前の感想ブログに載せていた記事の転載です。

 今朝たまたま花鶏さんが呟いていたツイノベがきっかけで一気読みしてきました(相変わらず衝動的)
 花鶏さん宅⇒ BARROCO https://atrium.flop.jp/brc/
 ってことで、毎度おなじみのネタバレ全開ですので、よろしくお願いします。

 『時々山椒時々胡椒』

 だ~か~ら~!
 幼なじみものは駄目だって言ったでしょ~!!
 好き。めっちゃ好き。
 同じように置いていかれた過去を持つ幼なじみ同士の叶くんとみちるちゃん。とても似ていて、だからこそ抱く同族嫌悪で喧嘩ばかりで。
 でも、お互いを誰よりも理解している。
 その関係は恋と呼ぶほど甘くない。普段はただのクラスメイトでしかないように振る舞っているけれど、二人でいる時だけは素でいられる。
 私が! 大好物な奴ですやん!

 もともと幼なじみ同士って好きなんですけども。
 前に感想書いた朔さんとこの『イクトセイ』みたいな相棒! って感じの幼なじみもめっちゃ好きですし、最近読んだとある方のところの幼なじみカップル(このお話の感想そのうち書きたい)も好きなんですけど、叶くんとみちるちゃんもまた良い。みんなちがってみんないい。幼なじみカプ最高!

 このお話読んでて思ったのは、花鶏さんの書くメインカプって、こう……どうしようもなく、互いの意思関係なしに魂の部分で惹かれ合ってるって感じするんですけど私だけですかね。ヒースさんとディアナさんも、叶くんとみちるちゃんも。
 全然タイプの違うカプなのに、根っこの部分が似てるというか、すっごく純粋に互いを必要としてて綺麗なんです。あと、男性陣の触り方がエロい(笑

 あ~好き。
 クライベイビィクライのとき、やっと言ったかよバカヤローってフラワーシャワーを二人に投げつけてましたね(笑
 てか、そろそろあれですね。語彙力が行方不明になってきましたね!(通常運行

 あ、そうそう。奈々子ちゃんめっちゃ好きです。
 叶くんとみちるちゃんが素を出せる数少ない友人。きっと、末永く二人を見守ってくれるんじゃないかな~。時々砂吐きそうになりながら(笑
 マリアージュ様といい、奈々子ちゃんといい、メインカプの応援してくれる(そして大抵男性側に辛辣)なキャラ好きなんですよね~。あなたも幸せになってね!って思う。好き。

 それにしても、叶くんとみちるちゃんの名前ってこうお互いの為にあるような名前なのかなぁと勝手に深読みしてみたり。
 叶くんはきっとみちるちゃんの望みを叶えてくれる人だし、みちるちゃんは叶くんを満たしてあげられる人なんだろうなって。
 うん、勝手な解釈です。
 よし、今回は読了直後のハイテンションじゃないので比較的落ち着いてるぞ!
 ってことで、とてもとても美味しいお話でした。
 ご馳走様でした~!畳む


#オンノベ感想

感想

『女王の化粧師』 間章 全ては墓の下 1 【メモ】

 こちらは以前の感想ブログに載せていた記事の転載です。

 新年早々、女王が更新されたので読んだのですが、今回は感想というよりもディータさんの過去編なので、ちょっと個人的に自分の情報整理用です。
 私は考察等は苦手なので、本当にメモですメモ。
 但し、いつもの感想と同じく、本編のネタバレ全開なので未読の人は読まない方がよいです。

 間章 全ては墓の下 1

 タイトルからして、今のヒース=ディータさんがペルフィリアの宰相・ディトラウト・イェルニになるまでのお話なんだと思いますが。
 いっちばん気になったのは、やっぱり「ヒース」が誰の子供かってところですよね。
 ここでいう「ヒース」は本文中に出てくる、ディトラウトに慕われている「ヒース」ですね。
 マリアージュ様の父君フランツと、ヒースの父であるヘイデンの会話から、この「ヒース」は恐らくマリアージュ様のお兄さん、だと思うわけで。

 で、前々から気になって仕方がなかったディータさんの正体。
 幼い頃のディトラウトとセレネスティって、めっちゃ仲いいじゃないですか。何よりね、名前の呼び方。
 セレネスティはディトラウトをディン、ディトラウトはセレネスティをセレと呼んでいる。
 そんな風に愛称で呼び合うことは本編の中ではないんですよね。
 あと、どこだったかでディータさんがセレネスティに地獄まで共についていくみたいに誓ってるところあったじゃないですか。
 あの時のセレネスティの口調は明らかに臣下に対するもので、つまりはやっぱりディータさん≠ディトラウトってことじゃないのかなってなるわけで。

 じゃあ、あのディアナさんラブなディータさんは誰? ってなるじゃないですか。
 んで候補に上がるのはもちろん「ヒース」なんだけれども。
 この「ヒース」=ディータさんなら、マリアージュ様の血の繋がったお兄さんがディータさんということになってしまうじゃないですか。
 もしこの仮定が真実で、マリアージュ様が知ったとしたら、心底嫌そうな顔するでしょうね……(笑

 あ、いやいや、そうでなく(笑
 ここでカクヨムさんの方の女王のキャッチコピーを見てみましょう。

 『 探しにいこう。本当のあなたを。 』

 ですよ。
 この『本当のあなた』は当然ディータさんのことで。
 それはつまり、ディータさんって『ディトラウト・イェルニ』でもなく『ヒース・リヴォート』でもないってことを指しているんじゃないかと思うわけです。

 で、ここで問題となるのは、ディータさんが「自分が屠った」と言っていたヒース・リヴォートは、一体誰をさしているのか? ということ。

 そこで気になったのがこの台詞。
「ヘイデンの古い友人が、君の後見となってくれることになってね。私はその知らせを届けに来たんだ。非常に優秀な青年だから、君にとって、本当に勉強になるだろう。君とも年が近いから、きっと、仲良くなれる」
 この「ヒース」に年が近い青年=ディータさんが屠ったと言ったヒース・リヴォートなのではないかと思ったわけです。
 え? ディータさんは『ヒース・リヴォート』でもないってのはどこ行ったのかって?
 そりゃああれですよ。この「ヒース」が本当にマリアージュ様の兄ならば、『ヒース・リヴォート』ではなく『真名・ミズウィーリ』になるじゃないですか(書き方がアレですがw)

 花鶏さんがディアナさんとディータさんは結婚するしラブラブハッピーエンド♡と仰っていることからも、ディータさんがマリアージュ様の血縁ならば納得いくんじゃないかなと。
 ちょっとメモするつもりが結構長くなってる……;畳む

感想

オンノベ感想『女王の化粧師』第三幕 第四章 探索する俘虜 1

 こちらは以前の感想ブログに載せていた記事の転載です。

 こ う し ん さ れ て た -!!!
 ってことで、更新分についてちょっと叫びますね。

 尽くす男ディータさん(笑
 ゼノさんにガンガンいじられてしまえ!!(笑
 つーかなんですかもう。ディータさんスパダリ感満載ですね!
 これは結婚した後とかえらいこっちゃじゃないでしょうか。
 でれっでれじゃないですか。

 しかし、こんな甘やかされた状況にありながらも、ディアナさんめっちゃ勤勉ですよね。
 体の調子よろしくないんだから、ちゃんと休んでくださいよ~。
 湯浴みのときもディータさんとの食事のときも、何かしら身につけようとしているだなんて、勤勉すぎでしょ。

 つーか、そろそろディータさんがデルリゲイリアの女王を欲した理由、わかりますかね? わかりますかね?
 めっちゃ気になる。国章の意味とか色々考えるに、聖女絡みなのは確かなんでしょうけども。
 女王はディアナさんとヒースさんのラブの行方はもちろん気になるんですけども、この国の成り立ちとか聖女と騎士の伝承だとか、その辺の世界観設定がとにかく作り込まれていて気になるのですよ~。
 早く全ての謎が解き明かされてほしい!!

 んで! 今回の! 一番の萌えシーン!!!
 ディアナさんがディータさんの寝込みを襲っている!(誤解を招く発言)
 いや、冗談です。寝てるディータさんへのでこちゅーですよ!!!
 あと、ゼノさんの一緒に寝てやってほしい発言!
 ゼノさん、ほんと良い人……。好き……。
 はぁ……早く結婚して……。
 次の更新をお待ちしております。畳む


#オンノベ感想

感想

オンノベ感想『女王の化粧師』(第四弾)

  こちらは以前の感想ブログに載せていた記事の転載です。

 前回よりも間が空いてしまいましたが、実はまだ吐き出し足りてなかったです、はい。
 ただ、衣替えだとか台風だとか実家に帰ってたりとかして感想書く暇がなかったのです。
 ではでは、早速追記にて語彙力崩壊な感想をどうぞ(笑

 色々書きたいことがあるのですが、今回はレオニダスさんについて書きたいなぁって思ってたりします。
 女王はキャラが沢山いるので、脇役キャラでも好きなキャラは沢山いるんですけども、レオニダスさんめっちゃ好きなんですよ~。
 まあ、最初名前見たときはちょうどFGOのバビロニアやってたお陰で、レオニダスさんが出てくるたびにあっちのレオニダスさんが脳内に出てきて困りましたが(笑

 私、化粧師としてのディアナさんがめっちゃ好きなんですね。
 んでもって、登場人物の中でディアナさんのお化粧を認めている人って結構少ないんですよ。

 まあ、ダイが生まれ育った花街の方々は置いておくとして。
 まずは彼女を見出だしたヒースさん。
 そして国章を与えたマリアージュ様。
 この二人はまあ、別格でディアナさんの化粧師としての腕を買ってますよね。
 でね、あとはティティとかこう直接国政に携わることのない人達が多いじゃないですか。
 ドッペルガムの女王であるルゥナとか、「たかが化粧師」に国章を与えたマリアージュ様を批難している。
 マリアージュ様やディアナさんの傍にいて、その仕事を常に見ているアッセですら、ディアナさんが化粧をする必要などないと思っている。
 そんな風に軽んじられるディアナさんのお化粧をね、他国の将であるレオニダスさんは手離しで褒めたんですよね。
「自慢できることは他にもいくつかありましてね。自分は美しいものを間違えない。奥さん、きれいなんですよ。世界一」
「……ご結婚を?」
「一昨年に。それから……あなたのお化粧、とてもよかった。自分は化粧について詳しくないですが、あの梟さんが女のひとに見えるって、すごいと思いましてね。妻にもいいもの見たって自慢しました」
 レオニダスは興奮からか早口だ。
 ただこの状況下で化粧を話題に選ぶ点に感心した。
 ダイは大人しく彼に耳を傾けていた。
「騒ぎすぎだって、あとで隊長たちに怒られましたが」
「それは……災難でしたね」
「でもそのとき閣下が笑って、自分に賛同してくださって……」
 柔らかい微笑みで宰相は、そうだな、と、頷いたのだという。
「あのひとがあんな風に笑うのってね、あまり、ないんですよ」

 これね、このレオニダスさんのお話。
 ここ読んだ時、レオニダスさんのことめっちゃ好きになったんですよね。
 んでもって、レオニダスさんは自分の主にとってディアナさんが大切な存在だということに気づいてたんじゃないかなと思ったんですよ。
 だからこそ、命を賭してまで守ろうとしたんだろうなって。
 そう思ってたら、BACKYARD2に掲載されている「美しいものの話」を読んでああ、やっぱりなぁって。
 つーか、ディータさんうっかり口滑らしちゃってるじゃないですか!
 そしてそのうっかり八兵衛エロ狸なディータさんの秘密をちゃんと守ってあげられるレオニダスさん!!!
 生きてて!!! 欲しかったっ!!!! ディータさんのためにも!!!
 ディータさんには、レオニダスさんみたいな人が傍に必要だったと思うんですよ!!!
 なのにもう! あの状況で「奥さん、きれいなんですよ。世界一」なんて自慢しちゃ駄目! それは俗に言う『死亡フラグ』ってやつだからーっ!!!
 うう……レオニダスさぁん……。
 ゼノさんも好きだけど、レオニダスさんのほうがもひとつ好き……。
 いつか結婚するディアナさんとヒースさんの傍に、レオニダスさんもいてほしかったよぉ……。
 ちょっと今回短いですが、そろそろ晩ご飯の準備をせねばならぬのでこの辺りで。
 今回はレオニダスさんトークでありました(笑畳む


#オンノベ感想

感想

オンノベ感想『女王の化粧師』(第三弾)

 こちらは以前の感想ブログに載せていた記事の転載です。

 こんにちは。
 もっと早く続き書くつもりが、諸々のことを処理していたらこんな時間になってしまいました。
 本日も女王語りのお時間になりましたよ。
 では、早速本日も語彙力皆無で逝ってみましょう~!

 昨日ね、Twitterで朔さんが悪魔のささやきを私に向かってしたんですよ(真顔)
20231110112831-admin.jpg
 これね! これね!!! 結構前にRTで流れてきて知ってたんですけど、私すっかり忘れてたんですよ!!!
 ……見事に私は瀕死になりましたよええ。
 さて、問題のシーンは昨日語った第二弾とも被るんですけど、
 舞踏会の最初は全員並び、決まった数小節ごと、ひとりずつずれながら組んで踊る。
  (中略)
 ディトラウトとは曲の終盤だった。
  (中略)
 ダイはディトラウトを見上げて、告げた。
「私が……あなたのことを、好きだって」
 好きで、好きで。
「いますぐ、ぎゅっとして、口づけたいぐらい」
 いとおしくてたまらなくて。
「あなたのこと、忘れられないのだって……」
 曲が終わる。
 踊りも。
 両隣の女たちが相手の男から離れる。
 彼女たちにダイも倣った。
 男と向かい合う。
 ――思えば、いま初めて、男に想いを伝えた。
 彼は笑った。
 ほんの、刹那の間だけ。
 子どもみたいに。
 周囲に遅れること一拍、互いに別れの礼をする。

 こ~れ~で~す~よ~!!! これ!!!
 普通の舞踏会だと、お相手は選べるわけだし誰をラストダンスの相手にするかは自由なわけですよ。普通ならね!
 けれど、これは二人が意図したわけでもなくて、また他の誰かが意図したわけでもなくて、自然とそうなったわけじゃないですか!
 つまりはあれですよ。神の思召しですよ。二人が! 伴侶となることが! もう運命づけられてるってことですよ!!!! ねえ!? 花鶏神!!!(笑

 あとあと、昨日はタイムオーバーで語れなかった部分なんですけども。
 この後のね、ディアナさんとディータさん、それぞれについて。
 昨日語ったディータさんの「心を傾けてしまいました」発言のその後、セレネスティが退場して、気遣うゼノさんにずっと「私が悪い」と言い続けるディータさん。
 そして二人の逢瀬をマリアージュ様に対しての背信だと思い自分を責め、初潮を迎えて自分の中の女に嫌悪感を露わにして謝りながら泣き叫ぶディアナさん。
 二人ともが二人とも、許されない恋をしていると思っている。
 本当にもうね、これね! ゼノさんの一言に尽きますよ!!!
 ディトラウトはゼノの腕を握りしめて繰り返した。
「私が、悪い……」
「そんなはずあるか!」
 ゼノが手を掴み返して、ディトラウトに怒声を浴びせる。
「女ひとりに惚れたことの、いったい何が悪い!?」
 ディトラウトは唖然としながら友人を見上げた。
 ゼノが袖口を赤黒く汚しながら、布でディトラウトの傷口を塞ぐ。

 そうだぞゼノさん! もっと言ってやれっ!!!
 そして、こんな風に言ってくれる友人がいて良かったね、ディータさんっ!!!
 ゼノさん好き……。
 てかさー、何気にディータさんとかレオニダスさんとかさ、ディータさんのこと大好きやん? そんでもっていい人達やん? そんなディータさんが悪い人なわけないやん?
 だからさ! ディータさんはたまには自分の幸せについて考えてもいいと思うんだ!!! レオニダスさんの分もさ! 幸せになれよぉぉぉっ!!!(思い出し号泣三度目)
 この後、ディータさんはそれでもゼノさんが許してくれても自分が許せないとかほざいてますけどねぇぇぇ!!!
 ゼノさんは……大切な友人の心の傷を塞いであげたかったんだろうなぁ……。

 一方、ディアナさんのね、あの泣き叫ぶ姿……。
 マリアージュ様はディアナさんとディータさんが何してたのか想像ついてるんでしょうけど、何も責めない。マリアージュ様が責められるはずがないんですよ。背信だなんて一切思ってないんですもん。絶対に思ってないですもん。
 むしろディータさんに責任持ってちゃんと嫁にしろって思ってますもん。くっそエロ狸!とかは思ってるかもしれませんけども。
 でも、ディアナさんは自分が許せない。恋をした自分が、どれほど突き放されても好きでいる自分が、求められて応えてしまった自分が。
 そして、ずっと止まっていた体が少しずつ動き始めていることは知っていたけれど、『月の障り』という完全に『大人の女』になろうとしている自分に、恐怖している。
 これね、このディアナさんの恐怖ね、お母さんの呪いじみたものを感じるんですよね。
 お母さんが父を愛するあまりにディアナさんを『ダイ』にしてしまったこと。
 狂ってしまうほど父を愛していた母を知っているから、ディアナさんは『ダイ』でありたかった。これが最初の呪い。
 そして、求めてはいけない(と思っている)ディータさんに恋をして焦がれて、心が完全に女として成熟し始めるのに合わせて、身体までもが大人になっていく。理性ではマリアージュ様を裏切れないとわかっているのに、心も体も、本当に全身全霊でディータさんを求めている自分。
 それが、恋に狂った母と姿だけでなく中身まで似ている。自分もああなるのでは、恋に狂って愛しい人以外何も投げ捨ててしまうのではないかという恐怖。血からは逃れられないんだとディアナさんの恋心を縛りつけるもう一つの呪い。
 あのね、違うんだよ。ディアナさんは幸せになっていいんだよ。
 確かにディアナさんとディータさんでは立場的に色々と難しいんだけども。
 恋しちゃ駄目なことないんだよぉぉぉっ!!!
 だってさ、ロディマスさんとかさアッセさんとかはさ、国の立場からディアナさんのことは許せないと思うよ? まあ、アッセさんの場合はそれだけじゃないけども!
 セレネスティが許せないのだってわかりますよ? ついてくるって信じてた人が私情に走って自分を謀ったのだから。
 でも、本当にずっと二人の傍にいて良く理解しているマリアージュ様だとかゼノさんとかはさ、ぶっちゃけられないだろうけど心の中では二人が一緒になってほしいって絶対思ってるもん。
 だからね、幸せになっていんですよぉ!!! 

 すみません、何かすごい中途半端なんですけど、色々確認するために花鶏さんのサイトに飛んでたら、企画のとこにあるSHORT STORIESやBACKYARD読んでないことに気づいて、全部女王に関する小話読んでたらまた時間なくなっちゃいましたよ;
 もうお迎えの時間なので、とりあえず一旦切りまする。
 まだまだ言いたいことありますけども。
 感想書きながら本編読み返したり、そこでまた泣いたり、上記の小話たちを読んでニヤニヤしたり切なくなったり、ほんと忙しいですわ。

 あ、あのね、ここで言うのも何なんですけどね、私基本的にそんなに感想とか垂れ流さない人なんですよ。苦手なんですほんと。
 でもたまーに言わずにいられなくなる作品とかありまして。
 まあ、それがこのブログに感想置いてあるお話たちだったりするわけですが。
 ほんと、女王は吐き出さないとつらくて吐き出してます。
 もうずっと、読んでからここ数日ずっと苦しいです。
 早く幸せになってほしい。
 てか、版権でもここまでどハマりすることそうそうないですからね?
 歳食ってから(子ども産んでから?)は余計に。
 本っ当に自分の心を占めてやまないお話なんて数えるくらいしかないんですよ。
 その一つに久しぶりにぶち当たっちゃったんで、一気にきてますね、色々と(笑
 軽率に現パロ妄想とかしたくなりません?
 あ、あと、女王の設定資料集とかめっちゃ欲しいんですけど。
 国と国の関わりとか、聖女と騎士の話とか、もちろんキャラの詳細プロフィールとか相関図とか。完結したら作りましょうよ花鶏さん! 私買いますから!!
 いやむしろ完結記念にファンブックとか作りましょう。好きな台詞ランキングとか好きなシーンランキングとか、ヒースさんのエロいシーンランキングとか(笑 そんなのを! 語り合える人! 募集!!(あ、朔さんはもうそういう人に入ってますからね)
 って、何の話になってきたのかよくわからないので、ほんとに一旦切ってお迎え行ってきます!!!畳む


#オンノベ感想

感想

オンノベ感想『女王の化粧師』(第二弾)

  こちらは以前の感想ブログに載せていた記事の転載です。

 うっかりご飯食べ忘れてました。
 食べてきました(笑
 そして、まだ言い足りないので叫びに戻ってきました。
 んで、ちょっと考えたんですけど、順を追って書いてったら膨大な量になると思ったので、思いつくまま好きだったシーン上げていきます。
 とにかく、ここ主張しとかないと!って思ったとこをからね!
 続きは相も変わらず語彙力何それ美味しいの?状態ですがどうぞ。

 感想をブログで吐き出そうと思った時から、これだけは! これだけは書いておきたい!! と思ったことがありまして。

 第二幕 第九章 忍ぶ懸想者の7。つまり、九章の最後のページのお話なんですけどね。
 いやあもう、このお話のサブタイトルからしてもうあれだったんですけど、この前の二人の逢引きシーンとかもダンスシーンとかももちろんあれだったんですけど!!!
 ここでね、ディータさんが初めて自分の主に対してディアナさんのことを告白するじゃないですか。
 それなんですけどね、ここですよ。
『ヒース』
 彼女が呼ぶ。
 あの日々と同じように。
 月色の瞳を柔らかく細めて。
 屠った男の名を。
 それがわたしを狂わせる。
「申し訳ございません」
 主君に、ディトラウトは告白した。
「心を傾けました」
 他者の印象を塗り替えんと筆を手にとるときこそ。
 もっとも美しいあの娘に。
 深く。
 溺れるように――……。

「心を傾けました」
 この一言が、すっごくディータさんを物語ってるなって、そう思ったんです。
 傾けました。いい……。
 きっと、ヒースとして ミズウィーリ家にいる時にディアナさんへの気持ちを自覚した後、彼の中で必死にバランスとろうとしてたと思うんですよ。
 自分はいずれこの場所を去る者。本来の主は別の国の女王で、自分はそこの宰相且つその兄。
 その気持ちは ペルフィリアに戻った後もそうで、ディアナさんと添い遂げることなどない。ありえない。
 そう言い聞かせてたんだろうなって。
 同時に、ディアナに自分を選んでほしいと思いながらも、マリアージュ様を裏切ることはないだろうって思いも無意識にあったんじゃないかなと思ったり。一幕でペルフィリア側に捕らわれたディアナさんに取引を持ちかけて自分の元に来いと言った時だって、ディアナさんは頷かないってわかってたんじゃないかなと思うのです。
 だって、ヒースさんは真っ直ぐなディアナさんだから好きになったんですよ。恋に溺れてマリアージュ様を捨てて自分の手を取るような人だったら、端から好きになってないと思うんですよ。なのにそんなディアナさんがそれでも自分を選んでくれたらって思ってしまう部分もあったんじゃないでしょうか。
 すんげぇ矛盾。そして葛藤。
 そういう危ういながらも何とか保ってた均衡があったのに、綺麗で無防備なディアナさんが、以前よりもずっと美しさを増して男を惑わす色香を自然に振りまいてしまうディアナさんが崩してしまった。
 しかも、拒絶されたならまだよかったのに、受け入れられて逆に求められてしまった。
 そしてそのあとの決定打。
 ダンスをしながら、初めてディアナさんから直接ちゃんとした言葉で「好き」と「あなたのことを、忘れられない」と言われてしまう。
 好きで好きで仕方がなくて、どうしても手に入れたくなくて、でも決して自分の元に落ちてくれない。そんなディアナさんから、初めてちゃんと返ってきた想い。
 覚悟しないわけないじゃないですか。もう何もかも。それまで保ってたバランスなんて、どうでもよくなっちゃうじゃないですか。
 ディアナさんが女だとバレてしまったことに、ほっとしたところもあるんだろうなぁ。やっと偽らなくていいって。
 ディータさんが『ヒース』としてミズウィーリ家にいる間の時間って、本当に優しいじゃないですか。
 思うに『ヒース』は彼のもっとも本質の部分に近くて、それと同時に『 ディトラウト 』の理想とか夢とか望みとか、そんなものなんだろうなって思います。きっと、ディータさんは『ディトラウト』よりも『ヒース』でいたいんだろうな。
 そして、ディアナさんも『ディトラウト』である彼とも二人きりの時に『ヒース』って呼ぶじゃないですか。ディアナさんも彼が『ヒース』であってほしいし、『ヒース』でありたいと心のどこかで望んでいる部分を無意識にかんじとってるんじゃないかなー。
 だから、ディアナさんはいつまで経っても『ヒース』と呼ぶし、ディータさんも『ヒース』と呼ぶことを咎めないしやめさせたりもしない。

 ああもう! はよ結婚してくれ!!!
 今すぐ! マリアージュ様の前で夫婦になることを誓え!!!
 そしてディータさんはマリアージュ様にアヒル口の刑にされてしまえばいい!!!

 あ、マリアージュ様といえば、最初に ペルフィリアに訪問したときのあれが大好きです♪
 マリアージュは開いた扇で口元を隠し、ふ、と嗤った。
「狸に似ておりましたの」
 一身に視線を浴びながら、皮肉を込めて言い放つ。
「……私の生家の庭を荒らした、たいそう毛艶の良い……クッソ狸に」
 イェルニ兄妹が目を丸め、ロディマスは女王の乱心に顔を引き攣らせている。
 それが、おかしくてならなかった。
「冗談ですわ」
 マリアージュは扇を閉じ、嫣然と微笑んだ。

 マリアージュ様~!!!! 納税させて~!!!!
 クッソ狸にくっそ笑いましたwww
 これ、ディータさんどういう気分で聴いてたんでしょうねwww

 あ、あとあと! マリアージュ様といえばやはり序幕のあれですよ!!!
 衣装の裾を絡げてゆっくり歩く。
 行く手を阻むメリアの眼前で一度足を止め、マリアージュは言った。
「お退きなさい。メリア・カースン。歩みの邪魔です」
 気圧されたのか、彼女は大人しく道を開ける。
 マリアージュはそのままゆったりと、絨毯を踏みしめた。
 文官が露台へと続く扉を開く。
 熱を帯びた歓声が、ぬるい風と共にマリアージュを一気に取り巻いた。

 もう、この時点で女王様。
 ヤバイ、かっこいい。納税したい。
 この後の演説も、
「私には力がない。だから助けなさい。貴方達が守り受け継いできた家と叡智が、私を助けることを信じます」
 それは、女王候補者としての、演説ではない。
 それは、女王が家臣に向けた宣下、そのものだった。
「私は祈らない」
 マリアージュは宣誓する。
「誰に祈るわけではない。貴方達にこれまでと変わらぬ日々を。更なる研鑽と、繁栄を、私が約束いたしましょう」

 もう、かっこよすぎる。こんなに女王に相応しい人いないですよもう!
 何回でもこのシーン見たくなる。好き。ほんとマリアージュ様ってばマリアージュ様!!!

 って、そうこうしている間にお迎え行く時間になりましたね。
 ええ、ええ、何かもう、前半のヒースさんで色々語りすぎましたね。
 でもまだ語り足りないんですよ! まだあるんですよ!
 とりあえずお迎え行ってくるので、一旦終わります!畳む


#オンノベ感想

感想

オンノベ感想『女王の化粧師』(第一弾)

  こちらは以前の感想ブログに載せていた記事の転載です。

 タブレットで読書用に、カクヨムさんで読むのに良い縦書きアプリないかなーと思って探してました(最近カクヨムさんメインのフォロワーさんが多いので)
 それで見つけたアプリが、デフォルトではちょっと読みづらくて設定いじってたんですね。
 で、いじるには何かお話を表示してないとわかりづらいもんでして。
 それで前々から読みたいと思いつつPCから読むのしんどい(というかとにかく長い笑)ので時間がなかなかとれなかった千花鶏さんの『女王の化粧師』を表示してたんですけど……これがね! 間違いだったんですっ!!!
 気づいたらね、先が気になって気になってアプリ閉じれなかったんです。

 てことで、追記にて二日で100万文字以上読み切った私の萌えを叫びます。
 ネタバレガンガンありますし、語彙力ないのは通常運行ですのでよろしくです。

 あ、花鶏さんのサイトはこちら⇒ BARROCO https://atrium.flop.jp/brc/
 カクヨムさん版⇒https://kakuyomu.jp/works/11773540548802...
 なろうさん版⇒http://ncode.syosetu.com/n2230dk/

『女王の化粧師』


 沼だと、知っていたんです。わかってたんですよ、私は!!!
 だって、以前にPCで序幕読み始めて、気づいたらお迎えの時間になってて焦ったんですよ!? この私が!!
 PCでオンノベ読むのがめっちゃ苦手な私が!!!
 それで、続き読むのを封印(笑)してたんです。時折流れてくる番外編SSとかは読んでても! 本編は! 自重してたんです!!!

 花鶏さんの馬鹿~!!! 睡眠時間返せ~!!!(八つ当たり)
 タイミングが悪かったのもあります。台風で翌日間違いなく保育園お休みになるってわかってた。多少夜更かししても問題ないって。
 でも、朝五時過ぎとかいつ以来や!? 自分の創作しててもせいぜい三時半くらいまでで「そろそろ寝よ」ってなるわ!!!
 とりあえず、キリの良いところまで読みたかったの! それが第一幕のおわりまでだったの!!! そしたらそんな時間になっちゃったの!!!

 ええ、ええ、翌日、しっかりカクヨムさんに掲載分の第二幕まで読み切り、堪えきれずに本家サイトさんまで飛んで最新更新分までと番外編を読み切ってきましたよ。

 序幕。
 序幕……? え、ほんとにこの長さ・この濃密さで序幕?
 花鶏さん意味わかんない(褒め言葉)
 でもね、私序幕の序章でもう沼だって確信したんです。
 アカンこれ好きな奴やって。だって、もう読まざるを得ない! って感じですもん!
 あとね、序幕のこの長さとこの濃密さがあるからこそ、第一幕以降がもんどりうってでも読まねばってなるんですよね。
 んでね、ほんとこのお話は好きなシーンいっぱいあるんですけど、やっぱり印象的なのはダイが化粧を施すシーンなんです。
 私ぶっちゃけ普段からノーメイクですし、化粧って好きでも得意でもないんですけど、ダイにお化粧してほしい。
 本当に美しい。
 こんな風に思うの珍しいんですけど、女王ってアニメで見てみたいなって思ったんです。漫画でもなくアニメで。
 小説でも脳内で色々想像できるけど、色が重なって変化していく様を映像として見てみたいなぁって。ああ、見たい……。
 特に好きなお化粧シーンは、ダイがヒースさんの前で怪我をした芸妓に施すシーンと、初めてマリアージュ様にお化粧するシーン。
 前者は、このシーンでもうヒースさん落とされてるよなぁって思うんですよ。個人的に。
 何て言うか、私の勝手なイメージなんですけどね! ヒースさん(というかディータさんが、かな?)って自分のために何かを望んだことないような気がするんですよね。
 序幕一章の最後で
「私の主が、真の意味で、国の主と、なるために」
って言ってますやん(ちなみに、この台詞めっちゃ重要ですよね!)
 きっといつも「誰か」の為で、「自分が」何かを欲しいって思ったことなかったんじゃないかなーって。
 でも、ダイにはっきりと言った。
「やはり私は、貴方が欲しい」
 まるで、愛を告げているかのような。
 直情的な声だった。

 ここ、無自覚の本音が出てると思いませんか、穿ちすぎですか。
 他の誰でもなく「私は」って言ったんですよ。主のためにって言葉が抜けてるんですよ。貴方この時点でもう絶対にダイに落ちてますよね!? 無自覚だけど!!! 愛を告げているかのような? むしろ告げてます!!!(落ち着け)
 その後のこの台詞もね
「すみません。勘違いされてもどうかと思うので言いますが、私は男色ではありませんから」
 これ、後から考えると自ら線引きしてるようにしか思えなくて。
 ダイは男だから大丈夫。惚れたりなんてしない。みたいなさー。
 自分で言い聞かせてるようにもさー、見えませんかー?
 だって裏返せば、ダイが女性だったら惚れてます言うてるもんやないですか~。

 その次のマリアージュ様への初お化粧シーン。
 もう、ダイの人タラシ具合炸裂ですよね。
 天性の人タラシですよね。
 ほんと、ダイが男だったらマリアージュ様と結婚してほしい。
 絶対に! 幸せに! なれるから!!!
 このころのマリアージュ様って、寄る辺ない迷子って感じですよね。
 ダイより年上のはずなのに、ダイより幼い。愛情を欲しがるばかりの寂しい子供。
 マリアージュ様は無力です。お金すら知らない、愚痴ばかり、ダンスなんかは超絶苦手。その上お家も火の車。いつ没落して平民以下の扱いになってもおかしくない。
 こうやってこの頃のマリアージュ様を考えていくと、改めて何も持たない(与えられない?)人だったんだなと思います。
 私ね、読み進めていくうちにちょっと錯覚しちゃってた部分がありまして。
 マリアージュ様ってやっぱり貴族のご令嬢じゃないですか。
 だから、小野不由美さんの『図南の翼』の主人公・珠晶と似てるなぁって思ってたんです。
 自分の無知を知っていて、無力さを知っていて、それでも義務だからと 蓬山を目指す。そんな強さを持つ女の子。
 でも、珠晶には親からの愛もあったし、必要な教育も受けられていたし、お金もあった。
 マリアージュ様にはそれらがなかったんですよね。親から愛してほしい一心で頑張っても見向きされず、使用人たちからはどうせ教えても無駄と思われ、お金の存在すら知らなかった。
 そんなマリアージュ様と珠晶が似てるって何で錯覚したかって、マリアージュ様が珠晶みたいに考えられるように成長したからだと思うんですよ。
 知らないことを知ること、考えること、それらをダイに出逢うことによって教えられて、肌で感じ取って、それでマリアージュ様が女王に相応しくなっていくんですよ。
 花鶏さんが「ディアナさんとヒースは結婚するし、マリアージュ様は名君になるよ!」と確約してくださってますが、前者は「本当にそうなってくだされ~」って祈る気持ちになるのに対し、後者は「あ、うん、知ってる」ってすとんと飲みこめる。
 それくらい、マリアージュ様って序幕でもその片鱗が見えてるんですよね。
「ローラ」
 ダイの前に立つマリアージュの声は、思いがけず鋭い。
 腰に手を当てた彼女は、半眼でローラを見上げ静かに問うた。
「あんた、いつからこの家の主人になったの?」

 このシーンとかね! 序幕のこのシーン! 好きっ!
 だって、もう、この時点で女王の風格見えてるじゃないですか! 見えませんか!? 見えますよね!!

 って、もう何言ってんだかわからなくなってきましたけども!!
 とりあえず、マリアージュ様って何ももってない癖に、女王になるのに一番必要な素質だけはしっかり持ってたなぁって思うんです。
 ダイを傍に置くこと。部外者だからと思ったからだろうけど、調整中のアルヴィーに問いを投げかけたこと。ヒースを嫌いなくせに排除しなかったこと。
 ちゃあんと人を見る目がある。これ、絶対上に立つ人に必要ですよね。甘い人ではあるけれども。でも、マリアージュ様のその甘さが、自分自身を陥れることになったとしても、同時にその甘さによってどん底まで落ち切らない「幸運」にも繋がっているんじゃないかなーとか思ったり。
 いやほんと、思ったことばかり書いてたらまったくまとまりないですね!
 まあいいや!!

 んで、肝心のダイさんなんですが……。
 もう!!!! とにかく幸せになって!!!!
 って思います。お願い、ほんと幸せになって……。
 ヒースさんもなんですけどねー、何でもうこの子は自分が幸せになっちゃいけないと心のどこかで無意識に縛っちゃってるようなんですか!!!
 幸せになっていいの! ほんと! むしろなってくれなきゃこっちが幸せになれないっ!!!
 でもでも、ディアナさんの出自ってまだ謎に包まれてますやん。お父さん、画家さんでお城に絵が飾られるくらいの人ですやん。お金ないと絵描きなんてできないなんて話も出てきましたやん。
 絶対、何かありますよね!? 花鶏さんっ!!
 私、マリアージュ様並みに疑い深くなってますからね!? ほんと、結婚してくださいね!?(誤解を生む発言)
 ダイがね、ヒースさんにディアナって呼ばれるシーン好きなんです。
 ヒースさんがエロいけど。
 初めて『自分』が存在するって実感できた瞬間。
 あの時、本当の意味でディアナさんは生まれたんだろうなって。
「ディアナ」
 呼びかけられ、上げた視線の先にあるヒースは、それこそ春先の陽のような、とてもとても、優しい微笑みを湛えていた。
 彼が、囁く。
「呼びますよ。貴女が望むのなら……何度でも」
 偽りのない。
 本当の、名前を。
 ヒースが何気なく手を差し出してくる。首を傾げながら手を取った瞬間、勢いよく身体が引き上げられた。

 ここね、このシーン。
 差し出された手を取って、ディアナさんが引き上げられる。
 これ、ほんと「ダイ」の中に埋もれさせられて誰も気づかない場所で泣いてた「ディアナ」さんが引き出されるってことなんだろうなって……。
 もう……このシーン好き……。
 ヒースさんエロいけど(ここ大事)

 ってかね、ヒースさん、ダイが女の子だって決定的になった瞬間から、もう完全に理性の箍どっか行きましたよね!?
 ほら、その判明する直前とかは、女装してるダイに近づきすぎないようにって自制してたくせに! 判明した後はナニあのおててさわさわ!!!(表現……;)
 えー、問題のシーンはこちらです。上の名前呼ぶシーンよりも前です!
 大きさ比べもおしまいだ。そう思って戻しかけたダイの手を、ヒースのそれが引きとめた。
 男の指が、ゆっくりと、自分の指の間を滑る。
 組み合わされていく、手。
「……ヒース?」
 彼は目を伏せ、その親指の腹でゆるゆると、ダイの手の甲を撫ぜている。押さえつけているわけでもない。擦るというにも少し違う。羽で表面を撫でるような、柔い感覚。
 何かが、じわりと、身体を侵食していく。
 肌が、さざめくような、痺れ。
 今まで経験したことのない感覚に、ダイは息を詰めた。
「本当に」
 ヒースの唇が、動く。
「どうしてこんな小さな手を」
 伏せられていた蒼の双眸が、ゆっくりとダイを捉える。
「男のものだと思ったり、したのだろう……?」
 囁かれる自問。
 く、と細められる目。
 改めて思う。
  ヒースはひどく、綺麗だと。無論、容貌も端整だが、それ以上に、その目が。
 永遠に続く、白砂の原野の空の色に似た、透明で深い、静かな蒼。
 その瞳に、捕らえられる。
 上手く、呼吸が、できない。
「……は」
 男の手は離れない。その親指は輪郭を確かめるようにダイの手の甲を滑っている。

 ちゅーよりエロイわ! えっちしてるよりもエロイわ!!!
 おまえもうこれ前戯だろ!ってくらい手の触り方がエロい!!!
 これで! 自制してるつもりとか! 言わせないっ!!!
 このあとティティが入ってこなかったら何してたかわからんじゃないですかもうー!!!
 エロい……。エロ狸め……。ダイを幸せにしないと許さんぞ……!!!

 順を追って好きなシーンあげようと思ってたのに何かぐっちゃぐちゃですが、
まだ続きます。
 次ね! これね!
「ミゲルの店に行きましたよ。あなたが来る予定など何もないと彼は言った。……ならこんな場所で人目を忍ぶようにして、貴女は一体何をしている?」
 いつもはダイに対して穏やかなヒースの声音が、珍しく怒気を孕んでいる。
 一言一句、全てに憤りを込めるようにして呻く彼の目を、ダイはまともに見ることができなかった。力なく、項垂れる。

 この! ヒースさんが! ダイを他の男にとられたと思って嫉妬するシーン!!! もうくっそ独占欲の塊でしょヒースさんwww って思ってたら、ロウエンさんがまさに
「へぇ、よく言うよ」
 残像から逃げるように視界を暗闇に閉ざしたヒースの耳に、揶揄するような医者の声が届いた。
「アリシュエルの手紙をダイから受け取っているとき、踏み込んできた君の顔、鏡で見せてやりたかったね。実に見物(みもの)だった」
「……見物?」
「色々御託並べてダイに説教していたけど、あの時の君の顔は、嫉妬に眩む男の顔そのものだった。恋人の浮気現場に踏み込んだ男の顔だったよ。嫌われてもいい、だなんて、あんな顔しておいてよく言えたものだ」

 なーんて言ってくださるから、「それなwww ほんそれwww」ってなりました(笑
 ロウエンさんみたいなキャラ好き……。好きだったのよ、ほんとに!!
 花鶏さんのばかぁー!!!(思い出し号泣)

 気を取り直して……前後しますが、序幕八章の3でヒースがダイを庇って怪我をするシーンとかも好きが詰まりすぎてて、ディアナさんじゃないけど呼吸困難……。
 直前まで「ダイ」って呼んで諫めてたのに、危険を察知した途端に「ディアナ!」って叫んじゃうヒースさん、まじ愛溢れすぎ。
 だって、言葉の長さでいけば「ダイ」の方が短いんですよ。呼びやすいはずなんですよ。
 それが彼女の本当の名前である「ディアナ」で呼んじゃうんですよ彼は! もう全身で愛を叫んでるじゃないですか。どうしようもなく本当の、本質の部分のディアナさんが大事で我が身顧みずに手を伸ばしちゃうんですよもう! 咄嗟にディアナって呼んじゃうくらい、もうヒースさんの中では「ディアナ」が馴染んじゃってるんですよ!
 そのあと息がまともにできなくなってたダイを落ち着かせるときも、もうほんとこっちが呼吸困難なるわ。はよ結婚せい。
 しかし、このシーンね、後々ダダンさんが「きれいだったんだ」って言うじゃないですか。それがね、この後の二人を思うとね、本当にもう……(思い出し号泣二回目) ……ところでね、今めっちゃ我に返ってるんですけどね。
 気づいたんですよ、私。
 このペースで感想書いてったらこのブログの記事めっちゃ長くならない?
 てか、既にもうかなり長くない!?
 え、どうしよう、まだまだ書きたいことあるんだけど!!!
 とりあえず、今回はまだ序幕も全部終わってないけど終わりにしときます!
 また続きは書きます!!!畳む


#オンノベ感想

感想

同人誌感想『碧の独善』上

 こちらは以前の感想ブログに載せていた記事の転載です。
 以前の記事に載せていたWeb版のURLはリンク切れになっていたので削除いたしました。

「紙の本を読みなよ」
 脳内の槙島さんが先日からずっとそう仰ってたので、読書の秋ということもあり読みましたよ~。
 冴島芯さんの『碧の独善』のとりあえずは上巻。
 (同人誌版の通販ページはこちら⇒http://alice-books.com/item/show/6508-1)

 とりあえず、ネタバレも含むので追記にて感想を。
 相変わらずの語彙力皆無、ぐだぐだ具合をお楽しみください(笑

 『碧の独善』

 主人公は二人……でいいのかな?
 小国に婿入りした第二王子のサディアスとその護衛騎士であるアンジェリカ。
 王子と騎士の結ばれない恋、素敵……なんて生ぬるいもんじゃなく。
 サディアスとアンジェリカは異母兄と異母妹でもあるんですね。
 しかも、アンジェリカは色々あって王女であったりも関わらず王族から籍を抜かれている。
 もう読んでてグリグリと抉られてく感じです。
 ずーっと苦しい。
 サディアスさえ幸せであればいいとひたむきに想うアンジェリカも、傷と罪を一心に受けて終わらない苦しみを受け続けるアンジェリカを救いたいサディアスも、どっちもずっと苦しい。
 想いあってるのに、添い遂げられないし、何をどうしても幸せになれそうにない二人がどこまでも苦しい。好き。
 もう、読んでて自分はどMなんじゃないかと思うくらいしんどいのに、読まずにはいられないんですよもう。
 はー、しんどい! 好き!
 もうね、読んで……(もはや感想じゃない

 てか、冴島さんは以前墓参りアンソロでご一緒させていただいたことがあるんですが、描写がすごく美しいの。
 色とか鮮やかで、でも写真というよりは油彩? 水彩画ほど柔らかくはないんだけど、精密で緻密で目の前にばんって光景が広がる感じ。
 光と影のコントラストも美しいし、もうどこ切り取っても美しい。
 あー、あれかな。モネみたいなイメージ。モネ、好き。

 音楽なら、DJ Okawari氏のLuv Letterが似合うとか思いながら読んでました。

 てか、読んだ直後に曲聴いたら不覚にも泣きそうになったわ!
 まだ上巻しか読めてないのにこのありさまでは、下巻読み終えた後どうなるのかちょっと自分でも怖いです、うん。
 上巻、あそこで終わられるとしんどい……続き気になる。
 ほんと駄目、好き……。

 はい、見事に語彙力なくなりましたね。
 もう何言ってんのかよくわからんし、むしろ感想じゃなくて胸の中渦巻いてる切なさとか苦しさを吐き出したかっただけです、はい。
 下巻もまた読んだら感想上げにきます……。畳む


#同人誌感想

感想

同人誌感想『イクトセイ』

 こちらは以前の感想ブログに載せていた記事の転載です。

 唐突に感想語りたくなりました。こんにちは、志信です。

 基本的に、同人誌は一般の書籍よりも一期一会だと思っているので、とりあえず読みたいと思ったら買うようにしてます(ツイッター浮上率低くて、気づかぬ間に通販終わってたりとかしますが;)
 おかげで積み本が増えてて困るんですが、本当に今日はふと「ああ、読もう」と思って手に取ったのが青柳朔さん(サイトはこちら)の『イクトセイ』でした。
 アリスブックさんでまだ通販されてますので、興味を持たれた方はこちらからどうぞ!⇒ http://alice-books.com/item/show/1414-7

 って、長くなりそうなので、続きは追記にて。

 『イクトセイ』

 最初にあらすじを拝見した時点で、何かもう「アカン。これはアカン奴や」と直感しておりました。
 何故って、まずは幼なじみですよ!
 私の作品をご覧になったことのある方はご存知かと思いますが、幼なじみという関係性が大好きです!
 その上での『相棒』!
 恋とも愛とも違う、けれど唯一無二の存在。
 私の作品をご覧に~(以下略)、こういう恋とも愛とも違う特別な関係性が大好きですっ!
 これは私を抹殺しにかかっているなとあらすじから察し、けれどなかなか本を読む時間自体が取れなかったために、今日までパソコンデスクの本棚で背表紙眺めるだけで終わっていたわけですが……。
 好きっ!!!!!
 予想以上に全力で全私が死にかけたので、青柳さんは私を殺した犯人です(オイ
 郁人と聖花の相棒からただの同級生へ、そして他人へと移り変わっていく関係性の変化に切なくなりながらもそうそう、幼なじみの良さなんだよ、この切なさが! と思ったり。
 合間に挟まれる生野さんとセイさんの淡い初恋にも似た友情だったり、育子さんと清四郎さんの名前もつけられないような関係だったりがまた美しくて。
 細くたどたどしい、今にも途切れてしまいそうな絆の繋がりが、それでもしっかりと懐中時計とともに刻まれているのだなと思うともうじわじわしちゃいました。
 大号泣、というより、じんわりと胸に沁みて泣きたくなる。でもそこには常に柔らかな水彩色のあたたかさがあって、これはもう定期的に読み返したくなるお話だなと思いました。
 それくらい私のドツボでした。
 そもそも、感想書くの苦手な私が、ブログに感想書こうと思う時点でご察しでしょう(笑
 麻雀の役に例えると、リーチ一発タンヤオ平和二盃口をツモったくらいの気分です。表裏赤とか乗って数え役満になる勢いです。(わかりにくいわ!
 しかし、相変わらず感想書く語彙がなさ過ぎてやばいんで、誰か私の脳内を美しい感想文に変換できる機械を開発してくれませんかね!?
 麻雀の役で例えるのは間違ってるとわかるくらいの語彙力はありますが!

 とにかく、今読み終わった勢いでだーっと感想書いているので、かなり怪しい上にただただ好きだと叫んでいるだけの感想ですが、幼なじみとか相棒とかそういう恋愛とひとくくりにできない関係性の好きな方にはぜひおすすめいたします!

 以上、単なる萌えの発散でした!畳む


#同人誌感想

感想