No.3

オンノベ感想『女王の化粧師』(第一弾)

  こちらは以前の感想ブログに載せていた記事の転載です。

 タブレットで読書用に、カクヨムさんで読むのに良い縦書きアプリないかなーと思って探してました(最近カクヨムさんメインのフォロワーさんが多いので)
 それで見つけたアプリが、デフォルトではちょっと読みづらくて設定いじってたんですね。
 で、いじるには何かお話を表示してないとわかりづらいもんでして。
 それで前々から読みたいと思いつつPCから読むのしんどい(というかとにかく長い笑)ので時間がなかなかとれなかった千花鶏さんの『女王の化粧師』を表示してたんですけど……これがね! 間違いだったんですっ!!!
 気づいたらね、先が気になって気になってアプリ閉じれなかったんです。

 てことで、追記にて二日で100万文字以上読み切った私の萌えを叫びます。
 ネタバレガンガンありますし、語彙力ないのは通常運行ですのでよろしくです。

 あ、花鶏さんのサイトはこちら⇒ BARROCO https://atrium.flop.jp/brc/
 カクヨムさん版⇒https://kakuyomu.jp/works/11773540548802...
 なろうさん版⇒http://ncode.syosetu.com/n2230dk/

『女王の化粧師』


 沼だと、知っていたんです。わかってたんですよ、私は!!!
 だって、以前にPCで序幕読み始めて、気づいたらお迎えの時間になってて焦ったんですよ!? この私が!!
 PCでオンノベ読むのがめっちゃ苦手な私が!!!
 それで、続き読むのを封印(笑)してたんです。時折流れてくる番外編SSとかは読んでても! 本編は! 自重してたんです!!!

 花鶏さんの馬鹿~!!! 睡眠時間返せ~!!!(八つ当たり)
 タイミングが悪かったのもあります。台風で翌日間違いなく保育園お休みになるってわかってた。多少夜更かししても問題ないって。
 でも、朝五時過ぎとかいつ以来や!? 自分の創作しててもせいぜい三時半くらいまでで「そろそろ寝よ」ってなるわ!!!
 とりあえず、キリの良いところまで読みたかったの! それが第一幕のおわりまでだったの!!! そしたらそんな時間になっちゃったの!!!

 ええ、ええ、翌日、しっかりカクヨムさんに掲載分の第二幕まで読み切り、堪えきれずに本家サイトさんまで飛んで最新更新分までと番外編を読み切ってきましたよ。

 序幕。
 序幕……? え、ほんとにこの長さ・この濃密さで序幕?
 花鶏さん意味わかんない(褒め言葉)
 でもね、私序幕の序章でもう沼だって確信したんです。
 アカンこれ好きな奴やって。だって、もう読まざるを得ない! って感じですもん!
 あとね、序幕のこの長さとこの濃密さがあるからこそ、第一幕以降がもんどりうってでも読まねばってなるんですよね。
 んでね、ほんとこのお話は好きなシーンいっぱいあるんですけど、やっぱり印象的なのはダイが化粧を施すシーンなんです。
 私ぶっちゃけ普段からノーメイクですし、化粧って好きでも得意でもないんですけど、ダイにお化粧してほしい。
 本当に美しい。
 こんな風に思うの珍しいんですけど、女王ってアニメで見てみたいなって思ったんです。漫画でもなくアニメで。
 小説でも脳内で色々想像できるけど、色が重なって変化していく様を映像として見てみたいなぁって。ああ、見たい……。
 特に好きなお化粧シーンは、ダイがヒースさんの前で怪我をした芸妓に施すシーンと、初めてマリアージュ様にお化粧するシーン。
 前者は、このシーンでもうヒースさん落とされてるよなぁって思うんですよ。個人的に。
 何て言うか、私の勝手なイメージなんですけどね! ヒースさん(というかディータさんが、かな?)って自分のために何かを望んだことないような気がするんですよね。
 序幕一章の最後で
「私の主が、真の意味で、国の主と、なるために」
って言ってますやん(ちなみに、この台詞めっちゃ重要ですよね!)
 きっといつも「誰か」の為で、「自分が」何かを欲しいって思ったことなかったんじゃないかなーって。
 でも、ダイにはっきりと言った。
「やはり私は、貴方が欲しい」
 まるで、愛を告げているかのような。
 直情的な声だった。

 ここ、無自覚の本音が出てると思いませんか、穿ちすぎですか。
 他の誰でもなく「私は」って言ったんですよ。主のためにって言葉が抜けてるんですよ。貴方この時点でもう絶対にダイに落ちてますよね!? 無自覚だけど!!! 愛を告げているかのような? むしろ告げてます!!!(落ち着け)
 その後のこの台詞もね
「すみません。勘違いされてもどうかと思うので言いますが、私は男色ではありませんから」
 これ、後から考えると自ら線引きしてるようにしか思えなくて。
 ダイは男だから大丈夫。惚れたりなんてしない。みたいなさー。
 自分で言い聞かせてるようにもさー、見えませんかー?
 だって裏返せば、ダイが女性だったら惚れてます言うてるもんやないですか~。

 その次のマリアージュ様への初お化粧シーン。
 もう、ダイの人タラシ具合炸裂ですよね。
 天性の人タラシですよね。
 ほんと、ダイが男だったらマリアージュ様と結婚してほしい。
 絶対に! 幸せに! なれるから!!!
 このころのマリアージュ様って、寄る辺ない迷子って感じですよね。
 ダイより年上のはずなのに、ダイより幼い。愛情を欲しがるばかりの寂しい子供。
 マリアージュ様は無力です。お金すら知らない、愚痴ばかり、ダンスなんかは超絶苦手。その上お家も火の車。いつ没落して平民以下の扱いになってもおかしくない。
 こうやってこの頃のマリアージュ様を考えていくと、改めて何も持たない(与えられない?)人だったんだなと思います。
 私ね、読み進めていくうちにちょっと錯覚しちゃってた部分がありまして。
 マリアージュ様ってやっぱり貴族のご令嬢じゃないですか。
 だから、小野不由美さんの『図南の翼』の主人公・珠晶と似てるなぁって思ってたんです。
 自分の無知を知っていて、無力さを知っていて、それでも義務だからと 蓬山を目指す。そんな強さを持つ女の子。
 でも、珠晶には親からの愛もあったし、必要な教育も受けられていたし、お金もあった。
 マリアージュ様にはそれらがなかったんですよね。親から愛してほしい一心で頑張っても見向きされず、使用人たちからはどうせ教えても無駄と思われ、お金の存在すら知らなかった。
 そんなマリアージュ様と珠晶が似てるって何で錯覚したかって、マリアージュ様が珠晶みたいに考えられるように成長したからだと思うんですよ。
 知らないことを知ること、考えること、それらをダイに出逢うことによって教えられて、肌で感じ取って、それでマリアージュ様が女王に相応しくなっていくんですよ。
 花鶏さんが「ディアナさんとヒースは結婚するし、マリアージュ様は名君になるよ!」と確約してくださってますが、前者は「本当にそうなってくだされ~」って祈る気持ちになるのに対し、後者は「あ、うん、知ってる」ってすとんと飲みこめる。
 それくらい、マリアージュ様って序幕でもその片鱗が見えてるんですよね。
「ローラ」
 ダイの前に立つマリアージュの声は、思いがけず鋭い。
 腰に手を当てた彼女は、半眼でローラを見上げ静かに問うた。
「あんた、いつからこの家の主人になったの?」

 このシーンとかね! 序幕のこのシーン! 好きっ!
 だって、もう、この時点で女王の風格見えてるじゃないですか! 見えませんか!? 見えますよね!!

 って、もう何言ってんだかわからなくなってきましたけども!!
 とりあえず、マリアージュ様って何ももってない癖に、女王になるのに一番必要な素質だけはしっかり持ってたなぁって思うんです。
 ダイを傍に置くこと。部外者だからと思ったからだろうけど、調整中のアルヴィーに問いを投げかけたこと。ヒースを嫌いなくせに排除しなかったこと。
 ちゃあんと人を見る目がある。これ、絶対上に立つ人に必要ですよね。甘い人ではあるけれども。でも、マリアージュ様のその甘さが、自分自身を陥れることになったとしても、同時にその甘さによってどん底まで落ち切らない「幸運」にも繋がっているんじゃないかなーとか思ったり。
 いやほんと、思ったことばかり書いてたらまったくまとまりないですね!
 まあいいや!!

 んで、肝心のダイさんなんですが……。
 もう!!!! とにかく幸せになって!!!!
 って思います。お願い、ほんと幸せになって……。
 ヒースさんもなんですけどねー、何でもうこの子は自分が幸せになっちゃいけないと心のどこかで無意識に縛っちゃってるようなんですか!!!
 幸せになっていいの! ほんと! むしろなってくれなきゃこっちが幸せになれないっ!!!
 でもでも、ディアナさんの出自ってまだ謎に包まれてますやん。お父さん、画家さんでお城に絵が飾られるくらいの人ですやん。お金ないと絵描きなんてできないなんて話も出てきましたやん。
 絶対、何かありますよね!? 花鶏さんっ!!
 私、マリアージュ様並みに疑い深くなってますからね!? ほんと、結婚してくださいね!?(誤解を生む発言)
 ダイがね、ヒースさんにディアナって呼ばれるシーン好きなんです。
 ヒースさんがエロいけど。
 初めて『自分』が存在するって実感できた瞬間。
 あの時、本当の意味でディアナさんは生まれたんだろうなって。
「ディアナ」
 呼びかけられ、上げた視線の先にあるヒースは、それこそ春先の陽のような、とてもとても、優しい微笑みを湛えていた。
 彼が、囁く。
「呼びますよ。貴女が望むのなら……何度でも」
 偽りのない。
 本当の、名前を。
 ヒースが何気なく手を差し出してくる。首を傾げながら手を取った瞬間、勢いよく身体が引き上げられた。

 ここね、このシーン。
 差し出された手を取って、ディアナさんが引き上げられる。
 これ、ほんと「ダイ」の中に埋もれさせられて誰も気づかない場所で泣いてた「ディアナ」さんが引き出されるってことなんだろうなって……。
 もう……このシーン好き……。
 ヒースさんエロいけど(ここ大事)

 ってかね、ヒースさん、ダイが女の子だって決定的になった瞬間から、もう完全に理性の箍どっか行きましたよね!?
 ほら、その判明する直前とかは、女装してるダイに近づきすぎないようにって自制してたくせに! 判明した後はナニあのおててさわさわ!!!(表現……;)
 えー、問題のシーンはこちらです。上の名前呼ぶシーンよりも前です!
 大きさ比べもおしまいだ。そう思って戻しかけたダイの手を、ヒースのそれが引きとめた。
 男の指が、ゆっくりと、自分の指の間を滑る。
 組み合わされていく、手。
「……ヒース?」
 彼は目を伏せ、その親指の腹でゆるゆると、ダイの手の甲を撫ぜている。押さえつけているわけでもない。擦るというにも少し違う。羽で表面を撫でるような、柔い感覚。
 何かが、じわりと、身体を侵食していく。
 肌が、さざめくような、痺れ。
 今まで経験したことのない感覚に、ダイは息を詰めた。
「本当に」
 ヒースの唇が、動く。
「どうしてこんな小さな手を」
 伏せられていた蒼の双眸が、ゆっくりとダイを捉える。
「男のものだと思ったり、したのだろう……?」
 囁かれる自問。
 く、と細められる目。
 改めて思う。
  ヒースはひどく、綺麗だと。無論、容貌も端整だが、それ以上に、その目が。
 永遠に続く、白砂の原野の空の色に似た、透明で深い、静かな蒼。
 その瞳に、捕らえられる。
 上手く、呼吸が、できない。
「……は」
 男の手は離れない。その親指は輪郭を確かめるようにダイの手の甲を滑っている。

 ちゅーよりエロイわ! えっちしてるよりもエロイわ!!!
 おまえもうこれ前戯だろ!ってくらい手の触り方がエロい!!!
 これで! 自制してるつもりとか! 言わせないっ!!!
 このあとティティが入ってこなかったら何してたかわからんじゃないですかもうー!!!
 エロい……。エロ狸め……。ダイを幸せにしないと許さんぞ……!!!

 順を追って好きなシーンあげようと思ってたのに何かぐっちゃぐちゃですが、
まだ続きます。
 次ね! これね!
「ミゲルの店に行きましたよ。あなたが来る予定など何もないと彼は言った。……ならこんな場所で人目を忍ぶようにして、貴女は一体何をしている?」
 いつもはダイに対して穏やかなヒースの声音が、珍しく怒気を孕んでいる。
 一言一句、全てに憤りを込めるようにして呻く彼の目を、ダイはまともに見ることができなかった。力なく、項垂れる。

 この! ヒースさんが! ダイを他の男にとられたと思って嫉妬するシーン!!! もうくっそ独占欲の塊でしょヒースさんwww って思ってたら、ロウエンさんがまさに
「へぇ、よく言うよ」
 残像から逃げるように視界を暗闇に閉ざしたヒースの耳に、揶揄するような医者の声が届いた。
「アリシュエルの手紙をダイから受け取っているとき、踏み込んできた君の顔、鏡で見せてやりたかったね。実に見物(みもの)だった」
「……見物?」
「色々御託並べてダイに説教していたけど、あの時の君の顔は、嫉妬に眩む男の顔そのものだった。恋人の浮気現場に踏み込んだ男の顔だったよ。嫌われてもいい、だなんて、あんな顔しておいてよく言えたものだ」

 なーんて言ってくださるから、「それなwww ほんそれwww」ってなりました(笑
 ロウエンさんみたいなキャラ好き……。好きだったのよ、ほんとに!!
 花鶏さんのばかぁー!!!(思い出し号泣)

 気を取り直して……前後しますが、序幕八章の3でヒースがダイを庇って怪我をするシーンとかも好きが詰まりすぎてて、ディアナさんじゃないけど呼吸困難……。
 直前まで「ダイ」って呼んで諫めてたのに、危険を察知した途端に「ディアナ!」って叫んじゃうヒースさん、まじ愛溢れすぎ。
 だって、言葉の長さでいけば「ダイ」の方が短いんですよ。呼びやすいはずなんですよ。
 それが彼女の本当の名前である「ディアナ」で呼んじゃうんですよ彼は! もう全身で愛を叫んでるじゃないですか。どうしようもなく本当の、本質の部分のディアナさんが大事で我が身顧みずに手を伸ばしちゃうんですよもう! 咄嗟にディアナって呼んじゃうくらい、もうヒースさんの中では「ディアナ」が馴染んじゃってるんですよ!
 そのあと息がまともにできなくなってたダイを落ち着かせるときも、もうほんとこっちが呼吸困難なるわ。はよ結婚せい。
 しかし、このシーンね、後々ダダンさんが「きれいだったんだ」って言うじゃないですか。それがね、この後の二人を思うとね、本当にもう……(思い出し号泣二回目) ……ところでね、今めっちゃ我に返ってるんですけどね。
 気づいたんですよ、私。
 このペースで感想書いてったらこのブログの記事めっちゃ長くならない?
 てか、既にもうかなり長くない!?
 え、どうしよう、まだまだ書きたいことあるんだけど!!!
 とりあえず、今回はまだ序幕も全部終わってないけど終わりにしときます!
 また続きは書きます!!!畳む


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