風にゆれる かなしの花[3件]
Kissの日 2018年
はなひらかねど、風にゆれる かなしの花、夢のあとさきそめし朝、Song for Snow、Reciprocal EclipseシリーズのそれぞれのCPで。
『手の上なら尊敬のキス』 メレディス&アレクシア
差し出された書類を右手で受け取り、もう片方の手で引き戻されようとしている手を捕まえる。訝る彼女のその手の甲に、そっと唇を押し当てた。途端に「何のつもりだ」と非難の声。だがその頬がわずかに赤く染まっていることは見逃さない。
「麗しの補佐官殿への愛情表現です」
「仕事してからにしなさい」
『額の上なら友情のキス』 晴希&咲子
他愛無い話をしていたはずなのに、気づけば彼女はうとうとと微睡んでいた。最近仕事が忙しい所為もあるのだろう。終電までにはまだ時間はある。仮眠程度に休ませてあげる方がいいのかもしれない。
「まったく、無防備すぎるよ、咲子さん」
苦笑と悪戯心を交えながら、こっそり額に掠るようなキスをした。
『頬の上なら満足感のキス』 ユキ&リツ
隣から聴こえるギターの音が心地いい。その人柄を表したような音色に浸っていたくて瞳を閉じる。ふと旋律が途切れた。どうしたのかと目を開いた瞬間、頬に柔らかなぬくもりが触れる。
「な、何?」
「歌って。リツだけ満足そうなのズルいから」
狡いとか言いながらも、その眼差しは柔らかで温かかった。
『唇の上なら愛情のキス』 レオン&セラ
騎士団の礼装に身を包んだ彼は、いつも以上に凛々しくて眩しい。傍から見ると完璧としか言いようのない彼に手を引かれ、赤い毛氈の上をゆるりと歩んだ。神官に促されて宣誓を終え、互いに向き合う。目が合うと、翡翠の瞳が優しい弧を描いた。静かに瞼を伏せる。そして、私たちのこれからが重なりあった。
『閉じた目の上なら憧憬のキス』 ジェラルド&ラティ
恋仲、と言っていい関係になったと思う。けれど彼は私よりもずっと大人で、未だに子供扱いされているような気がしてならない。キスをしてほしいとねだってみても、いつも寄越されるのは瞼の上に軽く触れるだけのもの。それでも拗ねた私に他の誰にも見せない笑みを見せてくれるから、許してしまうのです。
『掌の上なら懇願のキス』 キース&サクヤ
重い使命を小さな肩に背負わされ、蹲るように眠るあなたの掌にそっと唇を押し当てる。
あなたがもう二度と泣かないで済むように。大切な人を喪わなくて済むように。幸せに笑っていられるように。
いつかこの手が離れ、届かなくなったとしても。あなただけはどうか、その輝きを曇らせないでいてほしい。
『腕と首なら欲望のキス』 サミー&ソフィア
すれ違いざまに手首を掴まえられ、袖を捲り上げられた。
「あ、やっぱり怪我してる」
隠していたのによりによってこの男に気づかれるだなんて。思うと同時に傷口に痛みが走る。
「何を!」
「傷が早く治るおまじない」
ふざけた言葉が吐息と共に首筋にかかった。強引に振り払う。傷口は、熱く疼いていた。
『さてそのほかは、みな狂気の沙汰』 尚志&郁
煩わしいほどのキスに埋もれて、呼吸すらままならない。否、初めは息の仕方を教えるための口づけだったような気がする。ただ、いつの間にかそれは別のものにすり替わった。
息の仕方から生き方へ。共に生きろと傲慢に押しつけられた。
その奢った態度すら心地いいのだから、疾うに私の気は触れている。
元ネタはこちらです⇒グリルパルツァー名言集『接吻』 http://kakugen.aikotoba.jp/Grillparzer.h...
ではでは、せっかくなのでこのSSの設定とか裏話とかを下記に。
ネタバレ嫌な方は見ない方が良きです。
『手の上なら尊敬のキス』 メレディス&アレクシア
アレクシアはメレディスの先輩で、見た目は可憐なのに性格はセラとめっちゃ似てます。チャラ男だったメレディスは軽い気持ちでアレクシアを口説くけども、全く相手にされず。躍起になって口説き続けてるうちに本気になって、でも最初のチャラい印象がぬぐえないので本気と受け取ってもらえない。
「自分よりも弱い男になど興味はない」とか言われて、「じゃあ貴女に勝てるようになったら、結婚してもらえますか?」って返したら、アレクシアは鼻で嗤って「結婚? それなら騎士団長になったら考えてあげてもいいけど?」と。アレクシアはメレディスの性格じゃ絶対無理だと思っていたので、こう言えば引きさがるだろうと思っていたわけで。
けれど元々剣や軍略の才があったメレディスは、みるみる頭角を現して騎士団長までのぼりつめてしまった。そして団長補佐になってしまったアレクシアは、観念してメレディスの求婚を受けるわけだけども、この話はその直後くらいかな。
結局絆されてしまったアレクシアと、チャラ男から一転して超一途男になったメレディスのお話。
『額の上なら友情のキス』 晴希&咲子
友情で額にキスするなんて、この二人しか思いつかなかった(笑 あと、前のキスの日SSでほっぺにちゅーさせてたので。
時間軸的には、完結よりも前のまだ本当に友人同士の頃。晴希的には軽い悪戯と警告みたいな感じ。年頃の男の前で、そんなに気を許しちゃ駄目だよーみたいな。同時に、咲子がそんな風に気を許してくれているのが自分だけだとわかってるから、それはまた嬉しい。咲子が気づいて目が覚めたら目が覚めたで面白いからいいか、みたいなノリでもある(笑
『頬の上なら満足感のキス』 ユキ&リツ
本編完結後。製本版のオマケペーパーに載せてたSSよりはまだ前かな。
ユキのリハビリが終わって、少しずつまたギター弾けるようになった頃の二人のお話。きっと同棲とかしてると思う。リツはユキのギターをすぐ隣で聴けるだけで幸せで、そんな幸せそうなリツを見ているのがまた幸せなユキというどこまでもバカップル(笑
『唇の上なら愛情のキス』 レオン&セラ
本編完結直後。よく考えたら結婚式のシーンはレオン視点でしか書いてないなって思ったので。しかし、レオンは両想いになったら結構キス魔なんじゃないかなと思うんだけどどうだろう?
『閉じた目の上なら憧憬のキス』 ジェラルド&ラティ
ジェラルドにとってのラティは、やっぱり皇女様で自分にとっては手の届かない高嶺の花的なイメージがきっと長い間あったんじゃないかなと思ってます。ラティとの年齢差がそれを助長してて、自分が気持ちを伝えるまでにも相当葛藤があったはず。それをぶっ飛ばしていくほどラティが情熱的だったからくっついたけども、もし大人しい性格だったらこの二人は成立してなかったんだろうなと思う。
このSSの時期は、ジェラルドが数々の戦功を立てて騎士団長になるだけでなく上の爵位をもらったりして、ようやく皇家からラティの婚約者と認められたくらいの頃。ジェラルドはラティを子供扱いしているわけじゃなくて、ただただ大切で、宝物みたいに扱っていただけと言う話。
『掌の上なら懇願のキス』 キースとサクヤ
これは結構本編が進んだ後。はよ書け私(笑
きっとキースは、こんな願いをずっと抱えながらサクヤを守り続けていたんだろうなってお話。たとえ掌だろうと、キースにとってこのキスは禁忌に近い行為だったりする。それでも見えないところで抑えきれなかった想いがあるんだよってお話。
『腕と首なら欲望のキス』 サミー&ソフィア
二人が士官学校時代。この二人は同期入学同期卒業。ソフィアは常にトップの成績の優等生。サミーは逆にサボり魔だし女に手を出しまくるし問題児、なのに試験の成績なんかは普通にいいから、ソフィアはイライラしっぱなし。
実はこの二人の実家同士はかなりの犬猿の仲。かなり小さい頃に何かの集まりの席で二人は他に人のいない庭の隅っこで出会って、家のことを知らずに仲良くなってたりする。お互い初恋だったりね! けれどそれっきり会うことはなくて、士官学校で再会する。ソフィアはすぐサミーだとわかったけども、サミーはしばらく思い出せずにいた。士官学校でのはサミーのあまりの軽さに愕然とし、幼い頃出逢ったのは別人だと思い込もうとするソフィア。家自体も仲が悪いとわかったので、関わらないようにしようとするのに、ようやくソフィアを思い出したサミーがちょっかいかけてくる。
みたいな感じで、こう、人のいないときにちょいちょいこうやってソフィア口説いてたんだろうなって。ちなみに、他の女の子口説くときは、比較的人目を気にしません。ソフィアを影で口説くのは、家同士のわだかまりがあるから、表立って近づいたらいろいろ面倒だしソフィアにも迷惑かかるだろうからというサミーなりの気遣いが半分あります。
まあ、もう半分は、他の女の子の場合だと口先だけだけど、ソフィアの場合はついついスキンシップ取っちゃいたくなるからという理由だったりもする(笑
『さてそのほかは、みな狂気の沙汰』 尚志&郁
最初はこれは書くつもりなかったんだけど、何かないとおさまり悪いなと思って(笑 その他で表されているので、どこまでキスさせるかとか考えたけど、最終的にそこらじゅうキスというアダルトな展開しか思いつかなかった(笑
となると、我が家で一番のアダルト要員はこのカプしかなくてですね。
まあ、一番執着とか依存度とかが強いカプなので、こうなるのも仕方ないって感じです(笑
ってことで、こんな長々失礼しやした!
読んでくださった方、ありがとうございます♪畳む
#140SS
はなひらかねど、風にゆれる かなしの花、夢のあとさきそめし朝、Song for Snow、Reciprocal EclipseシリーズのそれぞれのCPで。
『手の上なら尊敬のキス』 メレディス&アレクシア
差し出された書類を右手で受け取り、もう片方の手で引き戻されようとしている手を捕まえる。訝る彼女のその手の甲に、そっと唇を押し当てた。途端に「何のつもりだ」と非難の声。だがその頬がわずかに赤く染まっていることは見逃さない。
「麗しの補佐官殿への愛情表現です」
「仕事してからにしなさい」
『額の上なら友情のキス』 晴希&咲子
他愛無い話をしていたはずなのに、気づけば彼女はうとうとと微睡んでいた。最近仕事が忙しい所為もあるのだろう。終電までにはまだ時間はある。仮眠程度に休ませてあげる方がいいのかもしれない。
「まったく、無防備すぎるよ、咲子さん」
苦笑と悪戯心を交えながら、こっそり額に掠るようなキスをした。
『頬の上なら満足感のキス』 ユキ&リツ
隣から聴こえるギターの音が心地いい。その人柄を表したような音色に浸っていたくて瞳を閉じる。ふと旋律が途切れた。どうしたのかと目を開いた瞬間、頬に柔らかなぬくもりが触れる。
「な、何?」
「歌って。リツだけ満足そうなのズルいから」
狡いとか言いながらも、その眼差しは柔らかで温かかった。
『唇の上なら愛情のキス』 レオン&セラ
騎士団の礼装に身を包んだ彼は、いつも以上に凛々しくて眩しい。傍から見ると完璧としか言いようのない彼に手を引かれ、赤い毛氈の上をゆるりと歩んだ。神官に促されて宣誓を終え、互いに向き合う。目が合うと、翡翠の瞳が優しい弧を描いた。静かに瞼を伏せる。そして、私たちのこれからが重なりあった。
『閉じた目の上なら憧憬のキス』 ジェラルド&ラティ
恋仲、と言っていい関係になったと思う。けれど彼は私よりもずっと大人で、未だに子供扱いされているような気がしてならない。キスをしてほしいとねだってみても、いつも寄越されるのは瞼の上に軽く触れるだけのもの。それでも拗ねた私に他の誰にも見せない笑みを見せてくれるから、許してしまうのです。
『掌の上なら懇願のキス』 キース&サクヤ
重い使命を小さな肩に背負わされ、蹲るように眠るあなたの掌にそっと唇を押し当てる。
あなたがもう二度と泣かないで済むように。大切な人を喪わなくて済むように。幸せに笑っていられるように。
いつかこの手が離れ、届かなくなったとしても。あなただけはどうか、その輝きを曇らせないでいてほしい。
『腕と首なら欲望のキス』 サミー&ソフィア
すれ違いざまに手首を掴まえられ、袖を捲り上げられた。
「あ、やっぱり怪我してる」
隠していたのによりによってこの男に気づかれるだなんて。思うと同時に傷口に痛みが走る。
「何を!」
「傷が早く治るおまじない」
ふざけた言葉が吐息と共に首筋にかかった。強引に振り払う。傷口は、熱く疼いていた。
『さてそのほかは、みな狂気の沙汰』 尚志&郁
煩わしいほどのキスに埋もれて、呼吸すらままならない。否、初めは息の仕方を教えるための口づけだったような気がする。ただ、いつの間にかそれは別のものにすり替わった。
息の仕方から生き方へ。共に生きろと傲慢に押しつけられた。
その奢った態度すら心地いいのだから、疾うに私の気は触れている。
元ネタはこちらです⇒グリルパルツァー名言集『接吻』 http://kakugen.aikotoba.jp/Grillparzer.h...
ではでは、せっかくなのでこのSSの設定とか裏話とかを下記に。
ネタバレ嫌な方は見ない方が良きです。
『手の上なら尊敬のキス』 メレディス&アレクシア
アレクシアはメレディスの先輩で、見た目は可憐なのに性格はセラとめっちゃ似てます。チャラ男だったメレディスは軽い気持ちでアレクシアを口説くけども、全く相手にされず。躍起になって口説き続けてるうちに本気になって、でも最初のチャラい印象がぬぐえないので本気と受け取ってもらえない。
「自分よりも弱い男になど興味はない」とか言われて、「じゃあ貴女に勝てるようになったら、結婚してもらえますか?」って返したら、アレクシアは鼻で嗤って「結婚? それなら騎士団長になったら考えてあげてもいいけど?」と。アレクシアはメレディスの性格じゃ絶対無理だと思っていたので、こう言えば引きさがるだろうと思っていたわけで。
けれど元々剣や軍略の才があったメレディスは、みるみる頭角を現して騎士団長までのぼりつめてしまった。そして団長補佐になってしまったアレクシアは、観念してメレディスの求婚を受けるわけだけども、この話はその直後くらいかな。
結局絆されてしまったアレクシアと、チャラ男から一転して超一途男になったメレディスのお話。
『額の上なら友情のキス』 晴希&咲子
友情で額にキスするなんて、この二人しか思いつかなかった(笑 あと、前のキスの日SSでほっぺにちゅーさせてたので。
時間軸的には、完結よりも前のまだ本当に友人同士の頃。晴希的には軽い悪戯と警告みたいな感じ。年頃の男の前で、そんなに気を許しちゃ駄目だよーみたいな。同時に、咲子がそんな風に気を許してくれているのが自分だけだとわかってるから、それはまた嬉しい。咲子が気づいて目が覚めたら目が覚めたで面白いからいいか、みたいなノリでもある(笑
『頬の上なら満足感のキス』 ユキ&リツ
本編完結後。製本版のオマケペーパーに載せてたSSよりはまだ前かな。
ユキのリハビリが終わって、少しずつまたギター弾けるようになった頃の二人のお話。きっと同棲とかしてると思う。リツはユキのギターをすぐ隣で聴けるだけで幸せで、そんな幸せそうなリツを見ているのがまた幸せなユキというどこまでもバカップル(笑
『唇の上なら愛情のキス』 レオン&セラ
本編完結直後。よく考えたら結婚式のシーンはレオン視点でしか書いてないなって思ったので。しかし、レオンは両想いになったら結構キス魔なんじゃないかなと思うんだけどどうだろう?
『閉じた目の上なら憧憬のキス』 ジェラルド&ラティ
ジェラルドにとってのラティは、やっぱり皇女様で自分にとっては手の届かない高嶺の花的なイメージがきっと長い間あったんじゃないかなと思ってます。ラティとの年齢差がそれを助長してて、自分が気持ちを伝えるまでにも相当葛藤があったはず。それをぶっ飛ばしていくほどラティが情熱的だったからくっついたけども、もし大人しい性格だったらこの二人は成立してなかったんだろうなと思う。
このSSの時期は、ジェラルドが数々の戦功を立てて騎士団長になるだけでなく上の爵位をもらったりして、ようやく皇家からラティの婚約者と認められたくらいの頃。ジェラルドはラティを子供扱いしているわけじゃなくて、ただただ大切で、宝物みたいに扱っていただけと言う話。
『掌の上なら懇願のキス』 キースとサクヤ
これは結構本編が進んだ後。はよ書け私(笑
きっとキースは、こんな願いをずっと抱えながらサクヤを守り続けていたんだろうなってお話。たとえ掌だろうと、キースにとってこのキスは禁忌に近い行為だったりする。それでも見えないところで抑えきれなかった想いがあるんだよってお話。
『腕と首なら欲望のキス』 サミー&ソフィア
二人が士官学校時代。この二人は同期入学同期卒業。ソフィアは常にトップの成績の優等生。サミーは逆にサボり魔だし女に手を出しまくるし問題児、なのに試験の成績なんかは普通にいいから、ソフィアはイライラしっぱなし。
実はこの二人の実家同士はかなりの犬猿の仲。かなり小さい頃に何かの集まりの席で二人は他に人のいない庭の隅っこで出会って、家のことを知らずに仲良くなってたりする。お互い初恋だったりね! けれどそれっきり会うことはなくて、士官学校で再会する。ソフィアはすぐサミーだとわかったけども、サミーはしばらく思い出せずにいた。士官学校でのはサミーのあまりの軽さに愕然とし、幼い頃出逢ったのは別人だと思い込もうとするソフィア。家自体も仲が悪いとわかったので、関わらないようにしようとするのに、ようやくソフィアを思い出したサミーがちょっかいかけてくる。
みたいな感じで、こう、人のいないときにちょいちょいこうやってソフィア口説いてたんだろうなって。ちなみに、他の女の子口説くときは、比較的人目を気にしません。ソフィアを影で口説くのは、家同士のわだかまりがあるから、表立って近づいたらいろいろ面倒だしソフィアにも迷惑かかるだろうからというサミーなりの気遣いが半分あります。
まあ、もう半分は、他の女の子の場合だと口先だけだけど、ソフィアの場合はついついスキンシップ取っちゃいたくなるからという理由だったりもする(笑
『さてそのほかは、みな狂気の沙汰』 尚志&郁
最初はこれは書くつもりなかったんだけど、何かないとおさまり悪いなと思って(笑 その他で表されているので、どこまでキスさせるかとか考えたけど、最終的にそこらじゅうキスというアダルトな展開しか思いつかなかった(笑
となると、我が家で一番のアダルト要員はこのカプしかなくてですね。
まあ、一番執着とか依存度とかが強いカプなので、こうなるのも仕方ないって感じです(笑
ってことで、こんな長々失礼しやした!
読んでくださった方、ありがとうございます♪畳む
#140SS
2023.11.10 (Fri) 夢のあとさきそめし朝風にゆれる かなしの花禍つ月映え 清明き日影七夜月奇譚はなひらかねどSong for Snow
放課後サイド バイ サイド
現パロ/レオン視点/レオンとセラ
生徒会の仕事を終え、職員室へと書類を提出しにいったその帰り。ふと思い立って一年の教室のある階を通って見ることにした。別に、彼女がいるとは思っていない。もう授業が終わってかなりの時間が経っているのだ。いるはずがないのだが、何となく普段彼女が過ごしている空間を歩いてみたくなった。ただそれだけの話。
彼女のクラスは一組だったはず。そんなことを思い出しながら何気なく教室内に視線を向ける。と、西陽の差し込む窓際の席に、見慣れた緋い髪を見つけて思わず足を止めた。
放課後の教室。他には誰もいないその場所で、一つ年下の少女は机に突っ伏して微睡んでいる。誰か――例えば幼なじみのアルヴィンだとか――を待っていて、待ちくたびれてしまったのだろうか? そういえば、あの男は放課後になるや否やクラウスを捕まえて、さっさと下校してしまった。きっと繁華街にでも出て、好みのナンパにでも勤しんでいるのだろう。クラウスがいれば成功率が上がるなどとふざけたことをぬかしていたのだから。
そんなことよりも、問題はこちらの少女だ。
いくら暖かい季節になってきたとはいえ、夕方になれば冷え込んでくる。このままでは風邪を引いてしまうかもしれない。
――起こすしかないか。
仕方なく、彼女の方に向かって歩き出す。
「セラ……」
控えめに声を掛けるが、熟睡しているのか何の反応もない。
改めて見ると、滑らかに弧を描く頬の白さと寝息を洩らす艶めいた赤い唇に、見てはいけないものを見た気分にさせられた。
鼓動が大きくどくんと鳴る。触れてみたい、と頭の中に浮かんだ自分の欲望を、慌ててかき消した。
「セラ!」
焦るように彼女の肩を揺すり、先ほどよりも大きな声で呼びかける。さすがにそこまでされると目が覚めた彼女は、驚いたように体を震わせて跳ね起きた。
「レ、レオンさん?」
「こんなところで寝ていたら、風邪を引くぞ」
「……あ、すみません。ありがとうございます」
恥ずかしそうに頬を赤らめながら謝罪と礼を寄越す彼女に、気にするなと返すのが精一杯だった。
「って、あれ? もうこんな時間ですか?」
「ああ。アルヴィンでも待っていたのか? アイツなら授業が終わって早々に意気揚々と帰っていったんだが」
「あ、いえ。レオンさんを待っていたんです。この間お借りした本を返そうと思ってて。生徒会室覗いたらお仕事忙しそうだったんで、邪魔したら悪いと思ってここで待ってたらんですけど、陽射しが気持ちよくってついつい……」
「気にせず声を掛けてくれれば良かったのに」
気遣い屋な彼女らしい選択だが、こちらとしてはそんな遠慮はしないでほしかった。きっと相手がアルヴィンならば、彼女は気にすることなく声を掛けただろうに。彼女に悪気はないとわかっていても、そうやって距離を置かれることが悔しかった。
「あ、でもちゃんと確認すればよかったですね」
「確認?」
「私がお手伝いできる仕事だったら、一緒にやった方が早かったかなって。その時は声掛けたらご迷惑かもって考えしか思い浮かびませんでした」
気が回らなくて駄目ですね、と反省しつつ苦笑いする彼女に、自然と頬が緩む。
どんな場合でも反省点を見つけてそれに前向きに対処しようとするところは、彼女の美点の一つだろう。
「セラは真面目だな」
「レオンさんに言われたくないですよ。ところで、もうお仕事終わったんですか?」
「ああ。これから生徒会室に戻るところだった」
「生徒会室? ……何で、この階通ってるんです?」
彼女から指摘をされて、うっかり本当のことを答えてしまっていた。職員室は一階、生徒会室は三階、そして、この一年の教室のあるフロアは二階なのだ。通りすがりというには不自然過ぎる。
「あ、いや……」
「ああ、もしかして見回りですか? 私みたいにうっかり居眠りして下校しそびれてる生徒がいたら困りますもんね」
「……そう、だな」
言い訳をする間もなく、勝手に良いように解釈してくれて助かった。日頃の行いのおかげだろう。
「じゃあ、気をつけて帰れよ」
「はい。レオンさんもお気をつけて」
名残惜しいと思いながらも、そう告げて生徒会室に戻るべく教室を出た。
本心としては、家の方向も同じなのだし一緒に帰ろうと言いたいところ。けれど、生徒会室に戻るまでの間待たせるのも申し訳ないし、何より誘うことで自分の気持ちがバレてしまうのではないかと思うと怖くてできなかった。
せっかく先輩後輩として良い関係を築けているのだ。それを壊してしまうような真似はしたくない。
生徒会室に戻り、自分の鞄を手にする。はぁと自分の情けなさにため息をつきながら、戸締りを確認して生徒会室を後にした。
やっぱり誘えばよかったなどと今更な後悔をしつつ、昇降口で靴を履き替える。そうして校舎を出ようとした瞬間、昇降口の扉のところに帰ったはずの彼女の姿を見つけた。
「セラ? 何か忘れものでもしたのか?」
「本を返すつもりだったって言ったじゃないですか。さっき渡すの忘れてたので、待ってたんです。せっかくなんで、一緒に帰りませんか?」
何の気負いもない自然な口調で、彼女は俺が言いたくても言えなかった言葉を口にした。
別に明日でもよかったはずなのに、わざわざ俺のために時間を割いてくれることに喜びがこみ上げる。
「そうだな。日も暮れてきたし、危ないからちゃんと家まで送ろうか」
「え、さすがにそこまでは大丈夫ですよ! 私なんか襲う物好きいませんし、そもそもそう簡単に襲われるほど鍛錬を怠ってはいません!」
これは遠慮、というよりも自分の強さに対する自負が上回っているのだろう。確かに、剣道部で全国大会常連なのだからそう思うのも当然だろう。自信満々に言い切るその姿がまた可愛いのだが、無自覚というのは怖いなとしみじみ思う。
「セラが強いのはわかっているが、最近は物騒な事件も多いからな。俺が安心したいだけだから、素直に送られてくれないか?」
「でも、レオンさんの家の方が手前にあるのに……」
「それに、セラを暗い時間に一人で帰したとなると、うちの父にも君のお父さんにも叱られそうだし」
「ああー……」
渋る様子の彼女に、ダメ押しとして出した『お父さん』の一言に、何とも複雑そうな声が返る。彼女がそんな声を出すのは無理もない。彼女のお父さんは、度が過ぎていると言っていいほど過保護で、よく彼女自身もうんざりした様子で愚痴っていたのだ。
「そう、ですね。ありがたく送っていただきます。あ、でも、うちに着いたらできるだけ速やかに退避してくださいね! くれぐれも、兄には見つからないように、速やかに!」
俺が送るを了承してくれたが、すぐに思い出したように彼女は付け加える。その表情には鬼気迫るものがあった。
そう。彼女に対して過保護なのは父親だけではないのだ。いや、過保護を通り越して過干渉としか言えない超絶シスコンの兄君がいるのである。俺も今までに何度睨まれたかわからない。
「……そうだな。俺もまだ命は惜しいし……」
彼女の兄のことを思い出すだけで一気に気が重くなる。彼女も同じなのか、ほぼ同時に大きなため息をついた。思わず顔を見合わせ、互いの疲れ切った表情にぷっとふき出す。
「あはは、レオンさん、ひどいですよー。一応あんなでも私の兄なんですよ?」
「一応、セラさえ絡まなければいい人だとは思っているんだが? そういうセラだって、まるで危険物扱いしているじゃないか」
「……だって、完全に馬に蹴られてほしい人ですし」
「馬?」
言葉の意味がよくわからなくて訊き返すと、慌てたように彼女は何でもないですと誤魔化した。
「さて、帰りましょうか」
「そうだな。道すがら、貸した本の感想を聴いてもいいか?」
「是非! めちゃくちゃ面白かったんで、感想語り合いたかったんですよー!」
眩しいばかりの笑顔を向けられ、ほんの少し前まで胸を占めていた憂鬱な気分は綺麗に吹き飛ばされる。
沈む夕陽が、彼女の白い頬をほのかに染めていた。
彼女の家まであと三十分。その短い時間だけでも彼女を独り占めできる。
ささやかだが至福のひとときだった。畳む
#現パロ
現パロ/レオン視点/レオンとセラ
生徒会の仕事を終え、職員室へと書類を提出しにいったその帰り。ふと思い立って一年の教室のある階を通って見ることにした。別に、彼女がいるとは思っていない。もう授業が終わってかなりの時間が経っているのだ。いるはずがないのだが、何となく普段彼女が過ごしている空間を歩いてみたくなった。ただそれだけの話。
彼女のクラスは一組だったはず。そんなことを思い出しながら何気なく教室内に視線を向ける。と、西陽の差し込む窓際の席に、見慣れた緋い髪を見つけて思わず足を止めた。
放課後の教室。他には誰もいないその場所で、一つ年下の少女は机に突っ伏して微睡んでいる。誰か――例えば幼なじみのアルヴィンだとか――を待っていて、待ちくたびれてしまったのだろうか? そういえば、あの男は放課後になるや否やクラウスを捕まえて、さっさと下校してしまった。きっと繁華街にでも出て、好みのナンパにでも勤しんでいるのだろう。クラウスがいれば成功率が上がるなどとふざけたことをぬかしていたのだから。
そんなことよりも、問題はこちらの少女だ。
いくら暖かい季節になってきたとはいえ、夕方になれば冷え込んでくる。このままでは風邪を引いてしまうかもしれない。
――起こすしかないか。
仕方なく、彼女の方に向かって歩き出す。
「セラ……」
控えめに声を掛けるが、熟睡しているのか何の反応もない。
改めて見ると、滑らかに弧を描く頬の白さと寝息を洩らす艶めいた赤い唇に、見てはいけないものを見た気分にさせられた。
鼓動が大きくどくんと鳴る。触れてみたい、と頭の中に浮かんだ自分の欲望を、慌ててかき消した。
「セラ!」
焦るように彼女の肩を揺すり、先ほどよりも大きな声で呼びかける。さすがにそこまでされると目が覚めた彼女は、驚いたように体を震わせて跳ね起きた。
「レ、レオンさん?」
「こんなところで寝ていたら、風邪を引くぞ」
「……あ、すみません。ありがとうございます」
恥ずかしそうに頬を赤らめながら謝罪と礼を寄越す彼女に、気にするなと返すのが精一杯だった。
「って、あれ? もうこんな時間ですか?」
「ああ。アルヴィンでも待っていたのか? アイツなら授業が終わって早々に意気揚々と帰っていったんだが」
「あ、いえ。レオンさんを待っていたんです。この間お借りした本を返そうと思ってて。生徒会室覗いたらお仕事忙しそうだったんで、邪魔したら悪いと思ってここで待ってたらんですけど、陽射しが気持ちよくってついつい……」
「気にせず声を掛けてくれれば良かったのに」
気遣い屋な彼女らしい選択だが、こちらとしてはそんな遠慮はしないでほしかった。きっと相手がアルヴィンならば、彼女は気にすることなく声を掛けただろうに。彼女に悪気はないとわかっていても、そうやって距離を置かれることが悔しかった。
「あ、でもちゃんと確認すればよかったですね」
「確認?」
「私がお手伝いできる仕事だったら、一緒にやった方が早かったかなって。その時は声掛けたらご迷惑かもって考えしか思い浮かびませんでした」
気が回らなくて駄目ですね、と反省しつつ苦笑いする彼女に、自然と頬が緩む。
どんな場合でも反省点を見つけてそれに前向きに対処しようとするところは、彼女の美点の一つだろう。
「セラは真面目だな」
「レオンさんに言われたくないですよ。ところで、もうお仕事終わったんですか?」
「ああ。これから生徒会室に戻るところだった」
「生徒会室? ……何で、この階通ってるんです?」
彼女から指摘をされて、うっかり本当のことを答えてしまっていた。職員室は一階、生徒会室は三階、そして、この一年の教室のあるフロアは二階なのだ。通りすがりというには不自然過ぎる。
「あ、いや……」
「ああ、もしかして見回りですか? 私みたいにうっかり居眠りして下校しそびれてる生徒がいたら困りますもんね」
「……そう、だな」
言い訳をする間もなく、勝手に良いように解釈してくれて助かった。日頃の行いのおかげだろう。
「じゃあ、気をつけて帰れよ」
「はい。レオンさんもお気をつけて」
名残惜しいと思いながらも、そう告げて生徒会室に戻るべく教室を出た。
本心としては、家の方向も同じなのだし一緒に帰ろうと言いたいところ。けれど、生徒会室に戻るまでの間待たせるのも申し訳ないし、何より誘うことで自分の気持ちがバレてしまうのではないかと思うと怖くてできなかった。
せっかく先輩後輩として良い関係を築けているのだ。それを壊してしまうような真似はしたくない。
生徒会室に戻り、自分の鞄を手にする。はぁと自分の情けなさにため息をつきながら、戸締りを確認して生徒会室を後にした。
やっぱり誘えばよかったなどと今更な後悔をしつつ、昇降口で靴を履き替える。そうして校舎を出ようとした瞬間、昇降口の扉のところに帰ったはずの彼女の姿を見つけた。
「セラ? 何か忘れものでもしたのか?」
「本を返すつもりだったって言ったじゃないですか。さっき渡すの忘れてたので、待ってたんです。せっかくなんで、一緒に帰りませんか?」
何の気負いもない自然な口調で、彼女は俺が言いたくても言えなかった言葉を口にした。
別に明日でもよかったはずなのに、わざわざ俺のために時間を割いてくれることに喜びがこみ上げる。
「そうだな。日も暮れてきたし、危ないからちゃんと家まで送ろうか」
「え、さすがにそこまでは大丈夫ですよ! 私なんか襲う物好きいませんし、そもそもそう簡単に襲われるほど鍛錬を怠ってはいません!」
これは遠慮、というよりも自分の強さに対する自負が上回っているのだろう。確かに、剣道部で全国大会常連なのだからそう思うのも当然だろう。自信満々に言い切るその姿がまた可愛いのだが、無自覚というのは怖いなとしみじみ思う。
「セラが強いのはわかっているが、最近は物騒な事件も多いからな。俺が安心したいだけだから、素直に送られてくれないか?」
「でも、レオンさんの家の方が手前にあるのに……」
「それに、セラを暗い時間に一人で帰したとなると、うちの父にも君のお父さんにも叱られそうだし」
「ああー……」
渋る様子の彼女に、ダメ押しとして出した『お父さん』の一言に、何とも複雑そうな声が返る。彼女がそんな声を出すのは無理もない。彼女のお父さんは、度が過ぎていると言っていいほど過保護で、よく彼女自身もうんざりした様子で愚痴っていたのだ。
「そう、ですね。ありがたく送っていただきます。あ、でも、うちに着いたらできるだけ速やかに退避してくださいね! くれぐれも、兄には見つからないように、速やかに!」
俺が送るを了承してくれたが、すぐに思い出したように彼女は付け加える。その表情には鬼気迫るものがあった。
そう。彼女に対して過保護なのは父親だけではないのだ。いや、過保護を通り越して過干渉としか言えない超絶シスコンの兄君がいるのである。俺も今までに何度睨まれたかわからない。
「……そうだな。俺もまだ命は惜しいし……」
彼女の兄のことを思い出すだけで一気に気が重くなる。彼女も同じなのか、ほぼ同時に大きなため息をついた。思わず顔を見合わせ、互いの疲れ切った表情にぷっとふき出す。
「あはは、レオンさん、ひどいですよー。一応あんなでも私の兄なんですよ?」
「一応、セラさえ絡まなければいい人だとは思っているんだが? そういうセラだって、まるで危険物扱いしているじゃないか」
「……だって、完全に馬に蹴られてほしい人ですし」
「馬?」
言葉の意味がよくわからなくて訊き返すと、慌てたように彼女は何でもないですと誤魔化した。
「さて、帰りましょうか」
「そうだな。道すがら、貸した本の感想を聴いてもいいか?」
「是非! めちゃくちゃ面白かったんで、感想語り合いたかったんですよー!」
眩しいばかりの笑顔を向けられ、ほんの少し前まで胸を占めていた憂鬱な気分は綺麗に吹き飛ばされる。
沈む夕陽が、彼女の白い頬をほのかに染めていた。
彼女の家まであと三十分。その短い時間だけでも彼女を独り占めできる。
ささやかだが至福のひとときだった。畳む
#現パロ
書下ろし三作、風にゆれる かなしの花のキャラクターで頂いたリクエスト二作
タイトル通りのタグで投げつけたSS
朔さんへ
無防備に眠る顔は、普段の毅然とした表情よりも幾分あどけなさが勝る。いつからだろう。かつては無邪気だった笑みが、腕のいい彫刻家が作り上げた女神像のような微笑みに変わったのは。その表情を崩してしまいたい、でも変えたくない気持ちもある。矛盾を抱えながら、白い頬のまろみを指先でなぞった。
朔さんへ投げつけた奴。ヘタレ男子友の会の会長様なので、やはりヘタレ男子を書きました(笑
設定としては、幼なじみ主従。護衛とか側近的立場なヘタレ男子と、長じてからは人の上に立つ存在になった表向きは完璧女子。多分、幼なじみであるヘタレ男子の前でのみ気を緩められるんだろう。
ハルさんへ
「いいものあげる」そう言って彼が放り投げたのは、赤地に手毬柄の布が巻かれた二十センチほどの長さの筒。いわゆる万華鏡という奴だ。「何で?」と返すと、「今夜は曇りだから」とドヤ顔だ。「これを望遠鏡にすれば、天気関係なく星が見えるだろう?」あまりの馬鹿馬鹿しい発想に涙が出るほど笑った。
ハルさんに投げつけた奴。
天気悪くても万華鏡なら星見られるって子供みたいな発想が嫌いではないですええ。この二人は、友達以上恋人未満みたいな関係だったらいいなーって思いましたまる。
悠さんへ
雨が上がれば、虹を見に行こう。おろしたてのスニーカーを履いて、あの丘の上まで。街を見下ろす高台で、天に掛かった七色の橋を見上げて。きっと、虹の袂が見つかるはず。見つかったならこっちのもので、あとはその場に駆けるだけ。そこになくしたものが、待っているのだろう。
悠さんに投げつけた奴。癒し系(?)を狙ってみました。
最初最後の一文の「待っているのだろう」は「待っているはずだから」でした。何となく「はず」って断定するよりも「だろう」みたいな期待した感じの方がいいかなと。
虹の袂には亡くした人がいるってお話もあるよね。みたいなね。見つけられる、そこに辿り着けるってことは、もしやこの主人公は……って勝手に深読みしてもらえても楽しいかなと思った(私の脳みそが不穏な方に行きたがるだけ)
りつかさんへ
言動は軽い、やる気はない、信用できない。三拍子揃った上、女遊びは騎士団で随一。そんな男がどうして真面目で模範的な彼女の幼なじみなのかとずっと気に入らなかった。けれど最近、そこまで悪い奴ではないと思い始め――「お? セラの薄っぺらい胸でも見てんのか?」前言撤回。やはり気に入らない。
りつかさんに投げつけた奴。風花のアルとレオンのお話でとリクエストを頂いたので。
この二人好きなので書くの楽しいんですけど、いつも文字数に悩まされる。
アルとレオンはきっと、何年経っても似たような感じの関係です。レオンがアルを見直しては前言撤回を繰り返す、みたいな。
でも気づけば信頼できる友人の一人にはなってそうで、結局アルのお兄ちゃん属性の勝ちな気がする。
なのかさんへ
フラワーシャワーを投げつけながら、友人である新婦の幸せそうな微笑みに自然と口元が綻ぶ。そういえば、あの二人も無事に式を挙げられたのだろうか。揃って不器用で、ついお節介を焼いてしまいたくなる大好きな二人。末永く幸せに。届くはずない祈りを、もう失われたはずの力にのせて。共に幸せに。
なのかさんに投げつけた奴。リクエストは風花のカノンでした。
これはカノンが元の世界に戻った後、友人の結婚式の最中にレオセラ思い出している感じです。
二人の結婚式、見たかったんだろうな~。もし見てたらきっと号泣してたんだろうな~とか思いながら書いてました。
と、こんな感じで書いたこれらのSSは初めての140字SSでした。
短いの難しいね!畳む
#番外編 #140SS